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第12話 騙された日 

「えっ?…………………………何これ?」


大学生活も二週目に入り、落ち着いてきた木曜日の夜。

いつもより帰宅が遅くなった私は、ルームシェアしているマンションのドアを開けて、目の前の光景に唖然とするしかなかった。


「……………………………………無い?」


そう、無いのだ。あらゆる物が。

玄関脇のウォークインクローゼットの中身と下駄箱の靴全部、備え付けのベッドは残っているものの、私の布団やら、お気に入りの枕やらぬいぐるみも、クローゼットや箪笥の中は下着以外は全部。

通帳だけはあるものの、熊さんの貯金箱も小銭含めた現金全ても。

机の上の、教科書やらテキストは有ったけど、お気に入りのペンやら文房具や可愛い付箋が全滅だったのが一番ショックだった。


慌てて同居人の翔子の部屋のドアを叩くも返事がないので、恐る恐る開けてみると………………

無いのだ。何も!


「………………………やられたかも?」


一呼吸して、スマホで電話も、『電源が入って〜……………』


SNSは、既読付かない?


呆然としながらも、トイレや浴室などあらゆる所を確認するも、トイレットペーパーから買い置きの生理用品からシャンプーリンスまで、見事に………………


このままでは、何も進まないと思い直して、まずは腹ごしらえするかと、今思えば頓珍漢な事を思った私は、冷蔵庫の扉を開けて、その場に崩れ落ちた。


空っぽだった。


唖然としながら、思考停止していると、スマホの通知に気が付いた。


『ごめんね?』


翔子からだった。


「…………………………………許さん!」


そう思ったところで、気が付いた。

翔子の事を、何も知らなかった事に。


仕方なく、なけなしの手持ちでまだ開いていたスーパーで一番安い半額の食パンと見切り品の牛乳だけ買って帰り、涙ぐみながら腹ごしらえしたのだった。


そして、落ち込みながら、まともに眠れぬ夜を過ごし、金曜日の講義を何とか済ませて帰宅した私は、再び部屋の前で愕然として固まった。


ドアが、開かない!

そして、ドアキーシリンダーの脇に封筒が貼り付けてあった。

締め出されたのだった。


家族と仲違いして出てきたから頼れないし、突然泊めてほしいと頼めるほど親しい友人もまだ出来てない!


もう、どうしようもなくて、呆然とするだけだった。

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