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第十八話 聖女の登場


 隠し部屋の現場は、調べたいというファウスト様にお任せして、その日はみんな眠りについた。


 わたしは、安全のためにミーノと一緒に眠る。


 翌日の朝、食事を取り終わると、事件の話になった。


「なるほど、ラファエラ様の反射するスキルで、ジルベルト様が凍り付いていたと、それなら合点がいきます」


 昨日のことを、フォルトナート様とファウスト様に説明する。


 ファウスト様は、面白そうに頷いていた。


「ジルベルト殿は……残念でした」


「はい、子供の頃から、わたしのことを育ててくれた親のような人でしたから」


「全ての国と人にとって、大きな損失です」


 フォルトナート様も、ジルベルトを尊敬しているようなところがあったので、残念なんだろう。


「しかしですね、そうすると、アレッシオ様の派閥は、どうしてラファエラ様の命を狙っていたのでしょうか?」


「なにか、誤解があるんだと思いますが……」


 まさか、アレッシオ様達も操られている?


「三人を調べた限りでは、暗黒竜の力は感じられませんでした」


「ラファエラ様に容疑が向くように仕向けていたようでもありますし……話を聞いてみるしかありませんね」


「賢者殿の方で、それは頼む」


 そこに、駆け足でアーシアが飛び込んできた。


「た、大変です! 神託が下りました! 間もなく、この城に聖女様が現れるそうです!」


「なんだと!?」


 聖女様! 主人公が来てくれたんだ!


 これで、やっとおかしな状態から抜け出せるかも知れない。


「では、私は聖域を出て、聖女様を迎えます」


「そうしてください、聖域の出入りはできるようにしておきますので」


「それでは、わたくしは、皆さんから事情を聞いてきましょうか」


 各々が、考えを行動に移していく。


 わたしは、ミーノとアーシアと一緒に中央広場で待つことにした。


 それから、一時間ほどが経過しただろうか。


 フォルトナート様が、女性と一緒に中央広場にやってくる。


 誰だろうか?


「紹介しよう、聖女のフレデリカ様だ」


「えええっ!?」


 わたしが驚きの声を上げたことで、逆にみんなが驚いている。


「どうしましたか? お姉様」


「い、いえ、なんでもありません……」


 ち、違う、アンミリスじゃない。


 いや、フレデリカって誰!? 別人じゃない!


 なんで!? 偽物!? まだ騒動は収まっていないの!?


「神託に導かれて来城いたしましたフレデリカと申します、皆様、お知りおき下さい」


 違う……アンミリスは、こんな感じじゃなくて、明るいお日様のような、でも普通の女の子なのに。


 目の前のフレデリカは、堂々としていて、理路整然という顔をしていた。


 でも……それがわかるのは、わたしだけ……。


 これ、どうすればいいんだろう……。


 そこに、何故か、アレッシオ様とブルーノ様、レアルコ様が現れた。


 ファウスト様が、首を捻りながら着いてきている。


「聖女様がいらしていると聞きましたが、貴女がそうですか?」


「はい、ワタクシが聖女のフレデリカと申します」


「おおっ! 聖女様!」


「これで、暗黒竜にも勝てる!」


「待て! 三人には謹慎を申し付けているはずだ! 何故出て来た!」


 フォルトナート様がもっともな突っ込みを入れる。


 王殺しの容疑は晴れたかも知れないけど、わたしの殺人未遂は間違いない。


「不思議なことに、扉にロックの魔法が掛からなくなっているのですよ」


 ファウスト様が、しきりに首を捻っている。


 それにしても、謹慎を言い渡されているのに、出て来るのか。


「私は、まだ謹慎を解いていないぞ!」


「自発的に出て来たのですよ、兄上」


「許されるわけがないだろう」


「許されたのですよ」


 アレッシオ様は余裕の表情だ。


 まずい……これって、またわたしが殺される流れじゃない?


「誰が許したのだ?」


「ご想像にお任せいたします」


 ちょっと揉めるようになっている。


 その隙に、わたしはアーシアにさり気なく聞いてみた。


「アーシア、聖女様は本物?」


「お姉様……さすがにそれは、聖女様に失礼では……」


 それを目ざとく見ていたブルーノ様が声を上げる。


「またお前か! ジルベルトが裏切ったらしいではないか!」


「これは国際問題ですよ、王を殺した罪、暗黒竜との戦いが終わった後、ナルミヤにはしっかりと償ってもらいます」


 レアルコ様も、いけだかな態度でそう言い放つ。


 立場悪いなぁ。


 そして、三人は聖女様をもてはやし始めた。


 自己紹介や、皆の名前などを説明している。


 そこで、フォルトナート様とアーシアにだけ聞こえるように、小声で話した。


「……わたしは、聖女様の本当の名前と出身地を知っています」


「なに……偽物ということか?」


「ルエナ村のアンミリスという名前です、ですが、この情報はジルベルトにも伝えていました」


「わかった、早急に確認させよう」


「お姉様は、それをどうやって知ったのですか?」


 自分の神託通りに聖女が現れたのだ。


 アーシアとしては納得がいかないだろう。


 でも……。


「ごめんね、詳しいことは話せないの」


「ふぅ……わかりました」


 複雑になってしまった関係をよそに、聖女様と三人は盛り上がっていた。


ここまでで「面白かった」「つづきも楽しみ」「ラファエラ頑張れ」など思ってくださった方は、ブクマや評価頂けると励みになります。

よろしくお願いいたします。

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