4-3 桃太郎の復活。桃太郎は犬の皇帝のナニに感心したのか。
犬の皇帝の発言に、栗鳥栖はどう返答するか考え、刹那の間押し黙りました。そのわずかな沈黙を見逃さず、犬の皇帝は続けて話し始めました。
「この植物の守りの意志と攻めの意志、これすなわち力を操るものの違いを感じる。我々も目撃したように守りの意志は桃太郎のものであったが、攻めの意志は別の者の力であると考える。
しかし、この稀有な力が多くの者が持っていると考えることは難しい。故にこの力は桃太郎の一族が持つ力であり、桃太郎の一族の内乱が桃太郎農園内で起こっている。そう断定した。」
栗鳥栖はこの発言を聞き、半分が真理であることに驚きつつ、半分の誤解にチャンスを見出し、話に乗ることを決め、こう尋ねました。
「仮にそのようであったとして、犬帝国はどのように行動なされるのでしょう。」
それを聞き、犬の皇帝は表の表情は変えず言いました。
「我々も無益な殺生を望まぬ。故に桃太郎と手を組むことはよしと考える。そして、他の勢力と手を組むことはよしとしない。」
これを聞き、栗鳥栖は安堵しました。しかし、犬の皇帝は次に一つ要求をしました。
「しかし、これはまだ朕の憶測にすぎぬ。故に桃太郎と直接話をし、この同盟を直接取り付けたい。国の運命を決めること故、この我儘を呑んでいただきたい所存。」
この一つの要求によって、栗鳥栖は窮地に追い込まれてしまいました。いま、ここで犬帝国と同盟を結べず、戦いとなってしまえば、勝ち目はなく、桃太郎の命も危うくなるため、この要求を呑むしかないが、桃太郎がボロボロであることがばれれば、犬帝国が攻め込む可能性もありました。
栗鳥栖は部下に合図を送り、桃太郎をこの城から即刻逃がさなければならないことを万次郎に伝える指示を出し、そして、自身は一刻でも多く時間稼ぎをするため、犬の皇帝に対していいました。
「確かに、桃太郎農園の事態は、犬の皇帝殿がお考えするようになっております。しかし、いまこの場に桃太郎はおらず、話し合うことは難しいため、一度撤退を…」
と話している途中、城の最上階の扉が一気に開き、音が響き渡りました。栗鳥栖たちと犬の軍勢はそちらに一斉に振り返ると、そこには桃太郎が立っていました。
「犬の皇帝よ。貴様の思考の深さに敬意を表する。俺は貴様を歓迎し受け入れる!この城に上がって、ともに語ろうとしようじゃないか。」
桃太郎は包帯がまかれ、ボロボロでありましたが、立ち姿は凛々しく、力強さを感じさせるものでした。この姿は犬の皇帝にいまここで攻め込むことは得策ではないと思わせるほどのものでした。犬の皇帝は犬の軍勢たちに、この場で武装を解かず待機するように命じ、城に向かっていきました。




