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→紅色
だから私は、覚悟を決めて紅色へ向かう電車に乗った。
電車には、わずかに人がいた。
窓から見える景色は、相変わらず何もないが世界の色は徐々にまるで血のような色へと変わった。
さらに電車が進むにつれ、服はボロボロになり、血で汚れていった。
服だけではない。
私の体もまた変化していった。
体の様々なところから血が流れ出て、服をぬらす。足はおかしな方向に曲がっている。
けれど不思議なことに痛みは全く感じない。
電車が駅に到着した。
ホームに一歩踏み出すと体が少し軽くなったように感じた。
乗っていた全員が降りると電車は直ぐに戻っていった。
そして私は駅から出た。
そこは至って普通の街のようだった。
違いといえば、見上げると空はまるで岩で覆われているに見えること。
さらに住人には大きな怪我をしている人がある程度の数いることだ。しかし、それでいて苦しんでいる様子もなく、普通に生活している。
街の中を歩いて私は不意に理解した。
ここが何処なのか、あの駅、電車は何なのか。
ここは、死者の暮らす街なのだ。
エンディングの1つ目です。