見知らぬ駅
いつの間にか私は見知らぬ駅のホームにいた。
線路が一本、地平線の果てから果てへと続いている。しかし、それは何処から来て、何処に行くか全くわからない。
空と大地の境界は溶けたかのように無くなり、まるでポツンと線路と駅を置いただけの世界に見える。
そして、この世界自体といえば晴れ渡る空色から不気味な紅色へと不思議な変化をしている。
空色の方向から電車がやって来る。
すると、周囲にいた私と同じデザインの服を着た人たち、私とは違うが共通の服を着た人たちが行き先がわからない電車に、疑問をもつ様子もなく乗っていく。
私以外に誰もいなくなり、電車が出発してしばらくすると今度は紅色から電車がやって来た。
しかし、どうすべきか判断ができず悩んでいると、電車は出発してしまった。
そして人が増える。また空色の方向から電車が来る。そして、やはり疑問をもつ様子もなく乗っていく。そして出発し、反対から電車がまた来て誰も乗せず出発する。
一体、何度繰り返しただろうか。ついに人がほとんど来なくなった。
ずっと見ていたがここが何処なのか、何故ここにいるのかは何一つ解決しなかった。
だから私は、覚悟を決めて――へ向かう電車に乗った。