01 - 日常リブート
男子バレーボール部による2016年活動報告会。
商店街から近く、また中学校からも近い位置に都合良く、本町会館という施設がある。
それはこの街にある『本町』という地域の町内会がちょっと前に新設した施設で、元々は銭湯があったそうだ。あったそうだ、という表現なのは、僕がその銭湯を知らないから。
お父さんに聞いてみたところ、
『佳苗が二歳のころに畳んでしまったんだよね。四歳になるころにはもう取り壊してしまっていたから、お前が覚えて無くても仕方ないな』
だそうだ。加えるならば、もっと近くに別の銭湯もあるからそっちに行くことも無かったんだろうな。
ともあれ、元が銭湯という大型施設菜だけ有って、本町会館の規模は結構大きな物になっている。
鉄筋コンクリートの二階建てで、いざという時の避難所も一応兼ねている。
また、今回のように事前に申請していて、かつ先約がないならば、施設として貸し出しもされていて、本町会館とはいえど、この周囲一帯でそれなりに力の強い町内会はここで集会をすることも多いそうだ。
で、その二階にある多目的ホールを今回は借りている。
いや、主体は僕達バレー部ではなく報告先である商店街で、その商店街が本町地域の町内会に属している以上、普通に使っていると言うべきだろうか。
「鳩原くん。今年度は特に、君の活躍が素晴らしかった。惜しむらくはもう少し早くその才能を見せつける舞台があればというところだが、それでもこれから先、君はとても力ある選手として活躍するだろう。実に良い!」
いやあ目出度い、そう豪快に笑って言うのはこの商店街の組合長。
商店街としては老舗の乾物屋を経営している人で、その気の良い性格は周辺の子供達からも地味に人気のある人格者、但し一定以上の年齢になった子供達にとっては鬱陶しさのほうが目立つという、良くも悪くも古き良き時代から受け継がれてきた商店街の顔役と言うところだろうか。
ちなみに僕は比較的好きな部類だ。
通りかかった時に機嫌が良いと飴くれるし。
最近は僕が喫茶店に出入りしていることを知っているからか、いつもよりも微妙に話しかけられる回数が増えていたりする。
(いやどっちかというとバレー部だからだろうな)
ああ、そっちか。
そして相も変わらずここに居ないのに突っ込みを入れてくる洋輔は、例によって例のごとく、感覚の共有によって僕の聴覚と視覚を共有しているからできる芸当だった。
ちなみに僕も暇なときは洋輔の視覚と聴覚を借りる事でゲーム画面を見てたりするんだけど、洋輔、そのミニゲーム下手だね。
(うるせえ。お前と一緒にすんな)
大体それ刀鍛冶じゃなくて薬師のミニゲームじゃなかったかな……いや、それこそどうでもいいか。
「そしてそれを支えた土井くん、風間くん。君たちの活躍ももちろん見ていたよ。エースである鳩原くんが目立つのは当然として、そのエースを見事支えきったことを君たちは誇るべきだし、我々にも君たちの応援をさせてほしい!」
で、現在はどんな状況かというと、報告会のメインでもある今年度開始から現状までのバレー部の活動状況と大会成績、招いたコーチの紹介や、現時点で部活を引っ張る選手達の説明を終えた後、立食パーティーでのフリー懇談会である。
フリー懇談会、といっても本当に全てが自由というわけじゃ無く、序列のようなものはあるらしい。このあたりはちょっと前までならば理解に苦しんだだろうけれど、魔神として一つの勢力を形としてだけでとはいえ統率した経験を踏まえると納得のいく物だった。
結局、誰だって偉くなりたいのだ。
権力に興味が無かったとしても、少しでも良い暮らしを、少しでも楽な暮らしを、あるいは少しでも好きなことをしたいと思うことが殆どで、だからそこに争いが生まれる。
その争いを表面上に出さずに行うのが、だからこういう場での序列……話しかける順番や音頭を取る役割だとか、そういう所で繰り広げられていると。
そう考えれば理解は出来る。
僕らが大人になる頃には廃れて欲しい文化だけど、たぶん残ってるんだろうなあ……僕らが大人になるという未来が想像しにくいのはちょっと横においておこう。
「そして村社くん、渡来くん。君たちは一年生でありながらその活躍が目覚ましいね! 偉大な先輩も多いと思うが、決して萎縮すること無く、のびのびと君たちの力を尽くしてくれ!」
結構偉そうなことを言ってくれるなあというイメージはさておき、僕の横で郁也くんが不満を押し殺すような表情で頷いていた。不満と言っても、それは待遇というか、力を認められていない事に対する不満って感じ……かな?
ああ、でも主語が郁也くんじゃないな。僕か。
基本的に学生側の対応は二年の二人、土井先輩と風間先輩がすると前に決めていたこともあって、僕達は軽く相槌を入れるだけ。なので、郁也くんの不満が勘付かれた様子も無かった。
そして組合長が離れたところで、郁也くんはふぅっ、と大きく息を吐くと僕に言う。
「あの人は佳苗のプレーをまるで理解していないね」
「郁也くんらしくもない。そこまで気にする事でも無いと思うけれど」
「……佳苗は優しいよ。ボクが佳苗の立場なら表面に出して怒ってる」
そうかなあ。
「その辺りにしておけ、村社。俺たちも似たような思いではあるさ。……あの成績を残せたのは、結局、渡来に頼れるシーンが多すぎたからだってのは、部員はみんな思ってる」
と、風間先輩。
僕はそう思ってないので微妙に『みんな』ではないのだけど、これは揚げ足取りというやつだろう。
それでも公式試合じゃ攻撃参加してないしな、僕。
なんてところで次に話しかけてきたのは、商店街の中程にある文房具屋さんの店主さんだった。
「活躍、お見事だったよ。次回からはきちんと応援に行かせていただけるとありがたい――スケジュールの方は共有していただけるのかな?」
と。これは運営的な確認なので、答えたのは顧問の小里先生だった。
「もちろんです。選手達も応援が多ければ喜びます、ありがたいことです」
「それはよかった。応援用の小物なら商店街で準備しよう、応援に来るであろう生徒の分もね。今後も期待してるよ」
ニヒルな笑みを浮かべてそういう店主さんは見事にナイスミドルって感じだけど、この人達、僕達が成績を残すまで見向きもしてなかったからな。成績を残せなくなれば直ぐにはなれるんだろう。
そしてそのことを生徒も強弱はあれど察していて、微妙な雰囲気になりかけている。
「バレーの応援といえばバルーンですけど、ああいうのって文房具屋さんに置いてましたっけ?」
その雰囲気を壊す目的というわけでは無かったのだけど、ちょっと気になったので聞いてみると、なんだか安堵するような雰囲気に切り替わった。なんでだ。いや僕としては良いけど、でもやっぱりなんでだ。
「うちには置いてないかなあ。けれどそういう専門的な物を取り扱うお店もあるんだよ、渡来くん」
「なるほど」
その後も二、三言葉を交わしては次の人たちへ、この一連の流れを六度ほどは繰り返しただろうか、
ある二人組がやってきたところで、空気がしん、と冷たく澄むような感覚がした……のは、僕だけのようだ。
聞き耳立てられてるな。
気付いてるのは……意外、でもないけど、ともあれ風間先輩が気付いてるかな。他の人たちは気付いてないっぽい。
「改めましてこんにちは、皆の活躍に祝福を。我々としてもお手伝いできたこと、喜ばしく思うよ、バレー部のみなさん。改めまして、私は喫茶店パステルの支配人、一色だ。気軽にマスターとでも呼んでくれるとありがたいのだけど」
「こんにちは。先の大会では大変お世話になりました」
「いやいや、あのくらいで恩と思われても困るよ」
…………。
凄い今更だけど、喫茶店のマスターって名前、一色だったんだ……。
知らなかった。
(偽名だろどうせ)
まあ、洋輔の言うとおりだと思うけど、それでも表面上その名前で通しているって事が分かったのは地味に初めてのような気がする。
(俺はどっかで聞いた事があったような……、いや、でも覚えがねえな……)
でしょ?
そんなマスターの横には、
(結局マスターかよ)
良いんだよ別に。
で、マスターの横にはもう一人、こちらは喫茶店の店員をしている女性で、確か名前はソーニャ・カニスキナさん。マスターと同じく日露のハーフさんだったかな?
顔つきとかはナタリア先輩のように、キリッとした強い女性という印象が強いのに、不思議と温和なイメージも同時に浮かぶ。それはさながらライオンのようだった。
(わりぃけど俺にはライオンに温和のイメージを持てねえ)
流石に今のはボケだから、普通のツッコミが欲しかった。いや贅沢すぎる悩みか。
「今度から、練習試合がある日を教えてくれれば、帰りにちょっとした軽食とドリンクを用意して、全面的に応援させて貰いましょって話をしてたの。迷惑でなければ、だけれど、どうかしら?」
「え、良いんですか?」
と、聞いたのは土井先輩。
珍しい食いつき方だった。
「こら、土井。……失礼。申し出は大変嬉いのですが、よろしいのですか?」
そして案の定というか、珍しく小里先生に怒られていた。
「もちろん。もっとも、食べ盛りの子たちには物足りない程度の量しか準備はできないかもしれませんが」
「それでもとてもありがたい。部員達は皆喜びます……見ての通りという感じでもありますが」
「あはは、いい事じゃ無いですか」
あははは、と場が笑いに包まれる横で、郁也くんでさえも結構うかれ顔をしているのだから確かに、皆喜ぶに違いない。
とはいえなんだろう、この場。うわべ的にはすごく微笑ましい、微笑ましいんだけど……その背景で何か、いろいろな思惑が交錯していて、背後では牽制が飛んでいるのが目に見えるようだった。そしてその牽制をひょいひょい避けてるのが喫茶店と。
なるほど、名義貸しに留めず本来の意味でしっかりと援助したいというのは喫茶店との権力闘争の一種だとは前もって想定していたけれど、どうやら商店街組合長の座を巡る権力闘争では無いってことか。
「そうだ、マスター。こんなところでついでというのも変な話ですけど、この前準備して貰ったクッキー、とても美味しかったです。それで近く、またお願いしたいんですよ。メモを取ってきたので、ここで渡しちゃっても良いですか?」
「クッキーか。ふむ、もちろん。三が日はちょっと遠慮して欲しいがね」
「それはもちろん。近くとは言え、明日明後日の話じゃありません」
お願いします、と渡したメモは、本当にあらかじめ準備しておいたものだ。書いてあるのはクッキーの詳しい注文内容で、注文者には三つの名前で連名としている。
それだけのメモだ。
但し、そのメモ帳は例の猫雑貨店で購入したお気に入りの一つで、それの最上段には猫のイラストがあり、そのすぐ左には『LOOK』と書かれている。
猫のイラストの上には僕が『4』と書き込んでいるけど、これはもちろん、そういう語呂合わせだ。
注文内容それ自体は一般的なもので、なにも喫茶店にお願いせずとも、それこそ駅ビルとかのお土産屋さんやケーキ屋さんで買えるようなものになっている。
そして、僕は喫茶店でクッキーをお茶菓子として貰ったことはあっても、特別何か準備して貰ったことがあるわけではない。
「渡来くん、確認したいのだが、この発注者は書いてある三人で良いんだね?」
「はい。ただ、領収書は一番下以外でお願いしたいんです。その人はちょっと特別なので」
「なるほど、サプライズでも企んでいるかな」
「マスターにはあとでこっそりお教えしますよ。でもここだと誰かにバレちゃうかも知れない」
茶化すようなやりとりで郁也くんたちからの追求はシャットアウト、とはいえちょっと興味は持たれたかな? それでもこの場で追求するようなことは出来まい。
で、今のやりとりでマスターはきちんとこちらの意図を理解してくれたようだと結論。
「ソーニャ、これの『材料』を準備するように指示だけしておいてくれるか」
「了解。少し電話してきますね」
後の詳しいことはそれこそ電話で良いだろう。
「なあ渡来。そのクッキーって美味しかった?」
…………。
しかしここで想定外にも食い付いてきたのは風間先輩だった。
「うん。なかなかの業物だよ、あれは」
「業物って……」
「じゃあ出物?」
「渡来が言うとなんかニュアンスが違う気がする……」
ため息交じりに、けれど風間先輩は諦めてくれていた。
いや、もともと食い付いたという自覚も無い、僕の勘ぐりすぎってだけか。気になったから聞いてみた、それだけっぽい。
「今後もマスター達に、お世話になります。よろしくお願いしますね」
「ああ、こちらこそ」
結局、喫茶店の面々とのやりとりはそれで打ち切り。
次からはまた、普通の商店街の面々とのやりとりなので、相槌モードに移行する。
(それで喫茶店への連絡は大丈夫そうか)
うん。ただあんまりにも渡せた情報が少なすぎる。
それをどう評価するか……。全くの無確認で話を進めるとも思えないから、この後帰り際を狙って確認をしにくるか、あるいは電話を掛けてくるか。
(電話って……ああ、俺にか。あのメモに書いてあった名前、お前と俺、ソフィアの三人だもんな)
そういうこと。
LOOK 4から始まるメモを僕は『お願いします』と渡した。
メモの内容はクッキーの注文についてだけれど、発注者は渡来佳苗、鶴来洋輔、そしてソフィア・ツクフォーゲルの三人で、マスターにとっても見慣れないであろうソフィアって誰のことだ、とマスターが発注者は三人で良いのかと確認してきた。
更に僕が領収書の宛先として一番下、つまりソフィアを除外してくれと頼んだことで状況が少し絞れ、特別と言う言葉、そしてサプライズ、秘密とキーワードを絞り込んでいってメモを見れば、僕の要求がその『ソフィアを探せ』であること、そしてそれを可能な限り内密にしたいということまで……は無理でも、とりあえずソフィアを探して欲しいって所は通じたはず。
ま、結局は電話待ちだけど。
(その電話、どうだろうな。お前に来るか?)
それが自然だけど、喫茶店が緊急だと思って動くならそっちに電話がいくかも。だったら応対よろしくね。
と、丸投げをしたところで一通り挨拶が終わったようで、立食パーティーも半ば、選手たちは自由行動で良いよと小里先生とコーチが言ってくれたので、お言葉に甘えてちょっと食事や飲み物を楽しむことに。
なかなか子供心が分かっているというか、食事は若者が喜んで食べそうなものが多めに用意されていて助かった。
と思いきや、
「……どうしたんですか、土井先輩」
「いや。…………。いや?」
一度何でも無い、と言いかけて、けれど首を傾げて土井先輩は言った。
「渡来。立食パーティにおにぎりはどう思う?」
「…………」
言われて土井先輩の視線を追いかけてみると本当におにぎりが並んでいた。しかもサイズ的には普通のおにぎりである。こう、小さめの俵握りとかそういうタイプならば大ありのような気がするけど、普通のおにぎりはどうなんだろう。
「お、天むすだ。もーらい」
「…………」
「…………」
そして横から風間先輩が颯爽と現れ、おにぎりを取ると颯爽と去って行った。
いや、風間先輩。たしかにそれは天ぷらおにぎり、いわゆる天むすだけれど、でもおにぎりがある事に疑問は抱かないのだろうか。
「佳苗、あっちにケーキがあった……、おにぎり、食べたいの?」
「いや。なんでおにぎりがあるんだろう? って土井先輩と話してたんだよ」
「立食パーティ形式がそもそもボク達への配慮だからじゃない?」
ん……ああ、そういう事か。
商店街組合の人たちの年齢層は結構高めで、立食パーティとは微妙に相性が悪い。
で、普通にご飯が食べたいなあという人向けにおにぎりがあると。
「そっちにはサンドイッチもあるから、そうなのかもな」
「おーい、土井、村社、渡来ー」
と、僕達が納得したところで呼ぶ声は鳩原先輩。
なんだろう、と視線を向けると、鳩原先輩がもっているお皿の上にはクリームソース系のスパゲッティにカリカリのベーコンが乗せられている。
カルボナーラ……? いや、この手のパーティでミートソーススパゲッティとかカレーライスが置かれてるのはよく見るけど、クリームソースはどうなんだろう。
「これなかなお薦めだぞー、せっかくだし取って食うと言い」
「……えっと、そのパスタですか?」
困惑しつつ聞き返したのは郁也くん。
するとうんうん、と鳩原先輩は頷いた。
「商店街が交錯してるところに最近立て直した洋食屋さんがあるだろ。そこのパスタだって」
「ミシュランガイド二つ星が何で立食パーティに提供してるんだろう……」
僕が思わずツッコミを入れると土井先輩はさらに困惑の表情を強め、一方で郁也くんは有無を言わさず取りに行ったようだった。興味津々のようだ。
尚、鳩原先輩が取り分けている分の品質値を確認すると8221。真っ当な手段で調理し、ある程度時間が経過しても尚この数字なのだから、さすが世界的な美食の権威に認められているだけのことはある。
ついでなので他の料理や例の天むすなどの品質値も確認していくと、ごくごく普通って感じで、やっぱり一歩抜けてるのはそのパスタなのかな――ん?
「渡来?」
「いえ、なんでもないですよ。どうします、土井先輩。パスタ、取りに行きます?」
「そーだなあ。少しは取りに行くか……」
そういって土井先輩も向かったところで、すっと自然に移動して、そのまま喫茶店のオーナーさんの背後へつくなり、小さく小さく言葉を紡ぐ。
「気付いてて放置してます?」
「放置はしている。どれか分かるか」
「宝飾品店の人が持ってる杖」
「助かる」
やりとりの後、すぐにマスターは行動に移し、僕も何事も無かったかのように目の前にあったからあげを取って郁也くんたちと合流する。
(いや、何だよ今のは)
品質値が20000を超えてるの杖があってね。時々そういうのが有ってもおかしくは無いけど、状況が状況だ。念のため鎌を掛けてみた。
(念のため鎌を掛けてみて、その結果正解だったと)
そういう事だね。
最も、あの杖が具体的にどういう機能を持っているのかまではまだわかんないな……、うーむ。渡鶴のバージョンアップ、急ぐか。
「佳苗はからあげ……と、えっと、卵焼き?」
「うん。だし巻き卵かな? なんか気になって」
「ふうん?」
そういう郁也くんのお皿には例のスパゲッティが載っていた。ただし量はほどほどで、他の料理も楽しむつもりらしい。
土井先輩はというと結構がっつり盛ってきていて、ああ、食べたかったんだなあと理解。鳩原先輩も極端な奴だ、といった呆れ顔を浮かべて居る。
そして一人少し場から離れていた風間先輩も合流し、風間先輩が持っている物はと言うと、
「……今度は何のおにぎりだ、それ」
「しゃけ。さっきおかかも食べたんだけど、なかなかの逸品だ」
「…………」
突っ込みを入れた土井先輩もあきれかえっているけれど……、なんていうのかな。
風間先輩の意外な側面を見た気がする。
いや、案外ご飯を食べないと気が済まないタイプの人って多いんだっけ?
でも風間先輩のお弁当ってお米入ってないことも多いよな。謎だ。
奇妙な部分も見え隠れしたところで、それ以降、特に問題らしい問題は起きなかった。水面下ではともかく、表面的な部分で言うなら報告会は成功裏に終わったと言って良いだろう。
そんな平和な、日常の一幕。
けれど今日はまだ、終わっていない。