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オークキング

「ブギャーーーオォォ」

仁王立ちをしていたオークキングは人型の豚と言ったところだろう、人型と言っても悪臭を放ち

”けがらわしい”

と言う言葉が似合う醜態だった。

オークキングの目がギラリと光り棍棒を振り下ろし始めた。

昔のカナタなら避けれたかもしれない、しかし今は幼い子供だ、到底よけれるはずが無い。

俺の人生これで終わるのかぁ~

そう思った瞬間、まだ出ていた『勝:負』の割合が30%だったのがいきなり95%に跳ね上がった。

「カナタ逃げなさい。」

この一言で、形勢は180度回転したのだ。

その一言は、ソラ姉が叫んだ一言だった。

「ファイヤーブレス!」

手のひらから細かい粒子の様な炎が大量に広がっていく。カナタの方にも炎が来たが綺麗に半径50㎝には一切ブレスがかからなかった

急にファイヤーブレスに襲われたオークキングは、地べたを這いずり回り、すぐに立ち上がった。

「私の弟に何してんの!!『ファイヤーストーム』!」

炎の塊が高速でオークキングの体めがけて飛んでいく。

オークキングは、ギリギリで身をよじらせ回避したが、体勢を崩し、倒れた

またオークキングは立とうとするが

「消えなさい『フレームスター』」

空から子供ぐらいある赤い流星が、オークキングに向かって行く。

体勢を崩していたオークキングは、回避する時間もなく流星が直撃した。

流星はが落ちた場所(オークキングにいた場所)は数十メートルの穴をあけていた。

そこにはオークキングの影は無かった。

姉怖し・・・

そう思った瞬間だった。



「ソ、ソラ姉ぇ」

カナタは、ソラ姉へ恐る恐る近寄った。

ソラ姉はうつ向いて拳を握っていた。

俺は、ソラねえの袖をそっと引いた。


「スパーン!!」


カナタの視線が90度横にずれた。

それは、叩かれた衝撃で吹っ飛んだ視線だった

カナタはそのじんじんする頬の痛みを耐えきれす少しの間フリーズする。

なぜか、屈辱と申し訳なさがDNAのように絡み合い静かに涙がこぼれおちる。

「馬鹿!!」

それは罵倒ではなく、安心感のあった言葉だった。

その言葉と一緒に抱きしめられた。

「心配したんだから。」

ソラ姉が小さく呟くとまた

「心配したんだから!!」

叫びながらも、言葉が震えていた。

肩が濡れていっているのが服を通し感じた

泣いていた。

ソラ姉が泣いていた・・・

「なんで泣いてるの?」

理由がわからなかったわけではない。

理由も、感情もわからなかったわけではない。

ただ、それがあっているか知りたかった。

ソラは少し間を開けて。

「あなたが大切だからよ!」

ソラ姉は抱きしめるのをやめ、涙でグシャグシャな顔を必死に笑顔にして言ってくれた。

(俺は幸せ者だこんなにいい姉に恵まれ、こんな俺にもこんなに優しい声をかけてくれる。)

DNAの感情に毛細血管のような細かい大量の糸が絡みつく。

「こんなに優しくしてくれるの。」

「当り前でしょ弟なんだから。」


DNAと毛細血管の塊は絡み合いすぎてついに心というつなに結びついた。

ああ、なんでだろう涙が止まらない。

強く結びいついたそれらはきつくきつく雑巾を絞るようにカナタの水を縛っていく。

「ご、ごめんなさい・・・」

声が震えていてソラ姉に聴こえたかどうかわからなかった。

「いいのよ。気にしないで」

そんな俺を優しく包むソラ姉は、とても温かかった。




~~~~帰り道~~~~

「え、そんなに」

すっかり泣きやんだ二人は帰り道、オークキングの事を話していた。

「オークキングはキングってついてるけどランクDだからねぇ~。」

(と言う事は俺は姉から言う雑魚モンにおびえていたのか。)

「そう言えばソラ姉ってどのランクまで倒せるの?」

「んーそうね、普通はB、頑張ってA」

俺は唖然とした

ソラ姉に追い付くにはもっと時間がかかりそうだ。

「ソラ姉」

「ん?」

不意を突かれたようなソラ姉に俺はこう言った。

「絶対おいつくから!!絶対追い抜くから!!」

「・・・ああ、追いついてみろ弱い弟よ!!」

その時のソラ姉は、とても誇らしげだった。


家に帰る頃には日が落ちていてソラ姉が母さん父さんに説明すると父さんからゲンコツ、母さんから強烈デコピンをくらい夜は泣きべそをかいて突っ伏して寝た。



~それから二年後~~

俺は五才になった。

プラス、

「行ってらしゃい。」

ソラ姉が高校に通う事になった。

小学校は四年制

中学校も四年制

高校は三年制だそうだ。

ソラ姉が高校に通うのはいいけど。

寮、に入るんだってさ。

今後会えるのは夏休みと冬休みだけだって。

「行ってきまーす、カナタ~大丈夫よ~姉ちゃん、ちゃんとと手紙書くから。」

「行ってらしゃーい」

ちょっと寂しいけどソラ姉のためだからしょうがないよね。

よしそろそろ俺も開始するか。

「母さん、父さん」

「なに?」

「何だ?」

「魔法と剣術を教えて?」

母さんと父さんは一度顔を見合い。

「いいわよ」

「いいぞ」

快く教えてくれると約束してもらえた。










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