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小人の国  作者: 夏野ゲン
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 さて、ボクの物語を語る前に、何故小人にならない人間が残されたのかについて、知る限りのことを語ろうと思う。

小人化は、利点しかない理想の提案であるというように言われていたが、それは誤りだ。ヒトが全て小人に変わった場合に、起こった問題は、考えてみれば誰にでもわかるようなものだ。

第一の問題が食料。これまで生産してきた野菜類だが、体長20cmの小人に世話も収穫も輸送できるはずがない。生産収穫、輸送までの全てを機械化するという提案もあったが、今度は収穫機械が壊れたときにメンテナンスできる人間がいない。

 野菜の生産などはまだいい。畜産や漁業となると、さらに問題は深刻になる。小人にとっての家畜や魚など、ほとんど怪獣のようなものだ。怪獣を相手に狩りを行う技術など、22世紀の人間が持っているはずもなかった。

 小人化に合わせた食生活にシフトしようという、極端な自然主義者も現れたが、脂ののった肉や、柔らかい葉肉の野菜を食べ慣れてきた人間が、ある日から急にそこらの草や昆虫を食事にできるはずもなかった。

 結局、有志の農家、酪農家、漁師、流通業者などが従来までのヒトとしての姿を保ち、小人の国を維持するために働いた。しかし、これらの業種に従事していた人たちの中には、自身の田畑や、育ててきた動物たちを手放してまで小人化することを嫌がる人も多く、小人化の推進側との意見はうまく合致したと言っていい。

 このように、必要性のある業種の人間はランダムに選びだされ、その職業に従事することが必要になった。しかし、小人化に伴い破棄された各種施設の利用権限は彼らに与えられたため、大きな不満が起こることもなく、小人化社会との両立が図られていった。

 こうして小人という最も栄えている種は、従来の人間に多くを依存しながら、今も生活している。




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