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小人の国  作者: 夏野ゲン
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「……えーっと、それじゃあ、どうしたらいいでしょうか?」


 石渡さんは額にしわを寄せ、少し思案してから答える。


「ああ、とりあえずはホビィが墜落した地点を見つけ出したいな。恐らくあの衝撃じゃあ、ホビィはもう復帰不可能だけれど、ホビィの中にはスペアのジーンサンプリングキットがある。それだけは確保できればとりあえず仕事はできる。後は適当にサンプルを回収すれば、とりあえずホビィのローンの返済くらいはできる」


 石渡さんはそう言った後に少し困った顔をして言う。


「ただ、どうやってホビィを探しだすか、その方法はちょっと思いつかないな……」


「そのことですけど、ボクに少し考えがあります」


「本当かい!?」


 ボクの提案に石渡さんは素早く反応する。


「ええ。さっきも言った通り、石渡さんをここまで連れてきたのは、うちの有機アンドロイドのスチュワートです。ということは、彼は石渡さんを拾った場所の情報を記録しているはずです」


「なるほど。それじゃあ、その有機アンドロイドのメモリをたどれば……」


「はい。きっと石渡さんを拾った場所が分かるはずです」


 ボクの答えに満足したように笑う石渡さん。


「すごいな。君は。優しいだけじゃなくて、賢い」


「いえ、以前にも似たようなことがあったので」


 過去に犬モードのスチュワートが、飼料庫のカギを地面に埋めてしまったことがあった。そのころはまだ、彼のAIはまだ発展途上であり動物の原始的な習性を繰り返しているころだった。そうした動作のうちの一つがものを埋めるというものだったので、ひょっとしたら彼がカギを隠したのではないか、という気持ちで彼のメモリを探った。

案の定予想は大当たりで、彼がカギを加えてから埋めるまでの映像が、メモリの中に刻銘に記録されていた。だから当時は、物がなくなるたびに、彼のメモリを覗き込む作業を繰り返していたのだった。

 そうした経験があったおかげで、今回は彼女の探し物を見つける手掛かりがつかめそうだ。人生なんでも経験しておくものだと思う。


「いや、そうだとしてもすごいよ。ありがとう」


 はにかんだ彼女の笑顔に、ボクはただ笑って返した。




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