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「事情はわかりました。それじゃあ、明日にでも石渡さんのコロニーに連れていきますよ。すぐにでも戻れた方がいいでしょう?」
「いやだっ!!」
事情を聞いたボクの提案に、彼女は強い拒絶を示す。
「どうしてです? 調査道具も、移動手段もないことだし、すぐにでもコロニーに戻ったほうがいいでしょう?」
困惑気味にボクが問いかけると、
「いや、今回の外部探索で、私はなにも成果をあげていない。このままコロニーに戻れば、中へ戻る時の防疫と、次回の外部探索の書類申請なんかで3カ月は次の探索に出られなくなる。下手をすれば、仕事そのものを首になるかもしれない。そうしたら、ホビィのローンも返済できないし、困る……」
途方に暮れた様子の石渡さん。ボクはそんな彼女を見て、頭をかきながら答える。
「そうですか。すぐに戻れるならそれにこしたことはないんですが……。それじゃあ、石渡さんはどうしたいんですか? ボクは何を手伝ったらいいですか?」
「手伝う? 私を?」
驚いた様子の石渡さん。
「はい。手伝いますよ。石渡さんが満足してコロニーに戻れるように、できる範囲のことなら手伝います」
「ありがとう……。でも、どうしてそこまでしてくれるんだ?」
石渡さんの、困惑の混じった笑顔に、ボクは答える。
「怖い思いをさせてしまったみたいですから、そのお詫びです。それに、知り合った人が困っているのに、外の世界に放り出すなんてことできないですから」
ボクの答えに、石渡さんのほほがほころぶ。
「紳士なんだな。君は。私のほうこそ、すまなかった。巨人はもっと野蛮なイメージがあったから、あんなに騒いでしまった。君のような優しい人もいるんだな」
ボクはあいまいに微笑み、照れをごまかした。




