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小人の国  作者: 夏野ゲン
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「それじゃあ、今回のここに来たのも、何か調査とか目的があったんですか?」


 わき出た暗い感情にふたをするように、話をもどす。


「ああ、そうなんだ。今回の調査地は『旧トウキョウシティ』のはずだったんだが……」


 『旧トウキョウシティ』


 かつて旧人類の国、『日本』の首都であり、日本の中でも最大の人口密度であった土地である。東京は高層ビルが連なり、地下に鉄道が引かれ、「人間の人間による人間のための街」だった。

しかし、人がいなくなった今、かつての東京は完全に廃墟と化し、人が住んでいた頃の面影はない。


「今、旧トウキョウシティはホットスポットになっているんだよ。地下鉄網に下水路に住む夜行性の動物類。それから、老朽化が進んできた建物に生えるキノコやコケ、それを求めてやってくる昆虫類。それをさらに餌にする動物たち。まさに新しい生態系が現在進行形で出来上がっているところなんだよ。ジーンハンターの私にとっては、まさに宝の山って感じだね」


「なるほど。でも旧トウキョウシティには、ここからまだ100km近くありますよ。どうしてこんな田舎の農家なんかに……」


「ああ、100km。そんなにあるのか。そうか……。実はトウキョウシティまでホビィ(ホバークラフト状の飛行機)を使って移動していたんだが、移動中に小遣い稼ぎによさそうな森を見つけたから、珍しい生き物はいないか高度を落として探していたんだ。そして、油断しきっているときに、想定外に巨大な猛禽に襲われてしまってね。データベース上では、あんなに巨大な猛禽は、このあたりにはいないはずだったんだが、まったくもって迂闊だった。まったく、あの鳥から羽の一枚でも取れたら、いい金になったのにね。まあともかく、猛禽が襲いかかってきた衝撃でホビィが墜落してしまい、私は気を失った。その後に気がついたら巨人の家にいて、下着姿で寝てたってわけさ」


 彼女はそんなふうに言いながら、苦々しげに笑顔を作った。




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