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小人の国  作者: 夏野ゲン
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 タオルの中にくるまれている小人に声をかける。


「……あの、お洋服のほう、乾燥が終了しましたのでお持ちしました」


 ボクが敬語でそう呼びかけると、タオルが何やらもぞもぞと動く。そして、隙間から細くて白い腕が2本、すっと伸ばされてきて、「渡せ」というように上下に動かしている。


「はい、お待たせしました」


 ボクが服を渡すや否や、腕は素早くタオルの中に戻ってしまう。

まるで猫みたいだな、と思う。近所の野良ネコも、気まぐれに餌をやると、もらったとたんすぐにどこかに隠れてしまう。あげたのはボクなのだから、誰も奪いはしないのにと思っても、彼らに言葉は通じないのだから仕方がない。

 さて、服を着るために悪戦苦闘しているのだろう、小人の入ったタオルはわしゃわしゃと不可思議な踊りを続けている。あれだけ縮んでしまったのだ。確かに着るのには苦戦するだろう。

 衣類の手渡し作業から約3分後、タオルのベールがとかれ、小人の女の子が再び姿を現す。しかし、衣類は予想通りぱつぱつになっていて、きちんと隠れていたはずのお腹やおへそが見えてしまっている。それは、何かの本で見たことがある、遠い昔に流行った「ギャルファッション」というものに似ている気がした。


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