あの日を境目に
「キース・タルポットはアシュレイ伯を授ける。」
陛下からの声が聞こえる。
『皆から勇者と呼ばれてるからなあ。我が妹とくっつけるなら伯爵しかないなあ。』
『キース・アシュレイいい響きだわ』
陛下の妹ローラ様もみている。
そう、私は…心の声が聞こえるのだ…ここまで登り詰めた簡単な説明をしよう。
タルポット家の三男坊として私は生まれた。長男のジェイは我が家を継ぐ予定であり、次男のウィリアムは父上の友達の婿養子として嫁ぐ予定だった。私は聖職者になるか騎士として働くかのどちらかしかなかった。
ある日夜中に耳が尋常じゃなく痛くなった。そしたら、話してる言葉ともう一つの声が聞こえるようになった。
「おはようございますキース様」
『出来損ないの三男坊〜』
使用人が私に言った。
「出来損ない?」
使用人は土下座して謝った。そう言ったことが何度もあり、使用人たちは私が心を読めているんではないか?などとまで噂をしていた。
あの日だ…そうあの日…
「僕の婚約者のエリーゼことエリーだ。」
次男のウィリアムの婚約者との顔合わせがあった。
エリーゼは薄紫の髪色をしていて、目は綺麗な金色で、肌は真っ白…胸が張り裂けそうなくらいドクンドクンとなった。
あぁ、これが恋なのか…
初恋は、兄の婚約者だった。虚しくもこの恋心を隠すしかないのか…
「もしよければ、庭園を案内しましょうか?」
エリーは僕に微笑んだ。
「行っておいでよキース」
『今からエリーのお父様とチェスしなきゃ行けないからな〜、エリー気が効くなあ。』
ウィリアムは僕に手を振る。婚約者と2人きりでいいのか?
僕は仕方なくエリーと庭園に出た。
隣に歩くとエリーは甘い花の香りがした。これは…やばい。僕は少し前を歩くようにした。エリーは必死に説明しつつ付いてくるのだが、無視をしてしまった。エリーの心の声まで聞こえてくるんじゃないかと思ってしまったからだ。
「キース様!そちらはダメです。」
目の前にはウルフのような牙が出た魔物がいた。
エリーの庭園は森と繋がっていた。魔物はこの時期お腹を空かせているため、近くまで来ていたらしい…
『ウルフ…怖い。でも、ウィリアム様に怪我させないようにしないと…』
エリーの心の声はとっても嬉しい…
『目だけは守らないと…』
!?僕は魔物の声も聞こえるのか…
僕は慌てて近くにあったスコップでウルフの顔面を殴る
『目を目を』
もしかして…目が弱点?
僕はそのままウルフの目をスコップで突き刺した。
『ウィリアム様…』
エリーはその光景を目にしてから気分が悪くなり倒れた。
あの日を境に僕の世界は180度変わってしまった。




