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盲目 4

その後、私は部屋に戻ろうと射撃場を出ようとした。

 フミネが射撃場の出入口に仁王立ちで腕を組み、悪魔のような顔で防いでいた


「おい さっきのはどういう意味だ」


 フミネの声に怒気が込もっていた。


「僕の夢である『文字』を使用が出来るようになるそれが叶った…」


「それで…叶ってどうするの…?」


「あんたら『神』を殺す…」


「どうやって…?」


「あんたらの『義眼』は恐らく ある程度の『情報量』しかスキャン…読み込む事しか出来ないんだろ」


 フミネの顔が歪み、驚いている


「当たりっぽいですね…」


「……………どうやって分かった」


 私はさっきの椅子に戻り、隣の席を軽く叩いた。


「子供の推測なんで話が長くなりますよ…座ってください…」


 フミネは隣に座り、足を組み妙な煙草のようなものを取り出し吸おうとした。


「それは何です…?後 子供が煙草吸って大丈夫何ですか…?」


「勘違いしているようだけど私 今年で三十よ…後これは煙草じゃない………てか早く話しなさいよ」


 煙草のようなものに火をつけ煙を吹く。私は目を丸くして驚いていたのだがこれ以上年齢のことを話すのは相手に失礼だと思い、私は続ける。

 

「正直、違和感を感じたのは爆発後のアワセさんを見てからです…」


「…………あの時か………」


「ええ アワセさんは目が見えないと言っていたけど僕には目が見えないようには見えなかった…確か その時は砂塵が舞っていて 気が付いたらあなたに撃たれていた...」


 フミネは煙を吐き、私の顔を視た。


「つまり お前が言いたいのは アワセの状況 周りの環境を見て 『義眼』の弱点が『情報量』だと...?」


「ええ 『義眼』は空気中に 微弱の電気を通して3Dスキャンをして周りを視る でしたね...? 人間...に直接接続されているから 情報量が多いと脳がショートを起こす可能性がある  と思っただけです...」


 フミネが少し口角を上げる。


「推測だけで まさか 『義眼』の弱点を見破るとはな...」


「まぁ アワセさんが少し教えてくれたんですけどね...雨の日と砂嵐がある日はみんな任務に行けないって言っていたのを聞いたので...後は点字で書いてあった本を読んで...」


「それは盗み聞きっていうんだよ...後 お前 もう点字わかるのか...?」


 煙草の火が全て落ち、彼女は灰皿に煙草のカスを捨て、もう一本吸い始めた。


「吸いすぎじゃないですか...」


「任務が近いんだ...任務中は煙草吸えないからな...で 点字読めるのか...」


 彼女の吐いた煙が部屋中に覆う。


「いえ 僕は点字 まだ読めないですよ...」


「博士が作っていた『義眼』と同じ性能を持つ眼帯で読んだのか...?」


 私はグッドサインを出し、廊下の方から大勢の足音が近づいてくる。


 「なんだ...」


 フミネは始めから知っていたかのような表情だった。

 射撃場の扉が開いた。大勢の男たちが銃を構えて私の周りを囲んだ。安全装置は外してある。


「おい ルイ こいつらについていけ...」


 フミネはまだ吸えるであろう煙草の火を消した。とても静かに…。だが彼女は少し震えていた。血管を少し浮かばせながら。

 しばらく場は静寂に包まれた。


「僕をどうするつもりなんです...?」


 フミネは、先程より血管を浮かばせながら笑って口角を上げていた。

 フミネが突然、私の髪を掴み、座っていた椅子から私を投げ体を地面に叩きつけ、そして何度も私の頭を地面に叩きつけ、周りは私の赤い血が飛び散り血が溜まっていた。視界が薄暗く、意識が飛びそうになる。

 

「さっきから聞いてたらよ なんで…『人』が『神』に反乱を企てるなどあってはならならねーんだよ クソガキが…!」


 それでも周りの男達は表情を変えずに私に銃を向けていた。服に、肌に私の血液がついても眉一つ動かさない。


「………銃で…………殺す………のか……………?」


「いやいや お前は『人』だ…『神』の言うことを聞けよ…だが 殺しはしないよぉ……お前は私達の『眼』であり『道具』なんだからよぉ…」


 私は意識が朧気になりながら無理矢理、立たされ暗い射撃場を出た。私の体から出た赤い物は冷たくなっていた。





 暗くて長い廊下を歩かされ、吐いた息が白くなるほどの温度だった。男達とフミネは分厚いコートを着ていたが私は訓練用の服で薄着だった。そして、会話もなく長い廊下を歩き続ける。

 ふと、目の前に扉が現れ、私は背中を強く押され部屋に入った。


「やあ 派手にやられたな……ルイ…」


 博士が大きい机に座っていた。博士の後ろの窓の風景真っ暗で何も見えない。


「彼が私達に歯向かうからです…」


 フミネはそう言い、部屋の明かりをつけ次に窓のライトのスイッチをいれた これで少しは理解できるだろうと彼女はそう言った。

 意識が朧気だった私は窓の外を見て、先程の寒気が無くなる程驚愕した。


「ここは海底ですか?」


「さて そろそろ私達の目的を言おうか…アタマガワ ルイ…」


 博士はそう言って静かに立ち上がる…。


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