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脊髄反射でガン見したい彼女  作者: 可愛い杏仁豆腐


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8/11

08 そんな噂

まだまだアイデアはありますので推敲しながらマイペースに書いていきます

 11月中旬。大成はこの先に控えている期末テストのため、湊と咲茉を誘って放課後にファミレスに訪れていた。高校とは少し離れたファミレスのため、同じ制服を着た生徒はどこにも見当たらなかった。


席に着くとそこには椅子が二つ、反対側にファミレスソファがあった。大成が椅子に座り、咲茉と湊がソファに座った。


「さて、二人にはまず何から教えようかな。大成は覚えるのが速いからこれを使って」


 湊はバックから一枚のノートを取り出して、それを大成に渡した。


「さんきゅー」


 大成がそのノートを開くと、そこにはびっしりと範囲のポイントが書かれていた。


「咲茉はー数学だよね。どこからわからない?」


「ごめん、最初から」


「なるほど、、ね」


 湊も薄々気づいていたが、まさか全部わからないとは。湊は咲茉に教科書とノートを開かせ、ページをさかのぼらせていった。


 数分後、大成達と同じ制服を着た二人組の女子高生が入ってくる。


「この時間だと流石にすいてるよね~、どこ座ろっか」


「いやいや店員さんを待った方がいいよ。杏」


 三人の手が止まる。


「杏?」


 入口側を見るとそこには学校帰りの結月と杏が居た。


「杏ちゃんと結月ちゃんじゃーん。良かったらおいでよー」


 杏と結月の存在に気付いた咲茉が助けを呼ぶかのように手を仰いだ。


「いいんですか?先輩方が勉強中に見えるんですけど、」


 結月は大成達のテーブルに乗った勉強道具を見た上で、申し訳なさそうに言った。


「いいんだよぉ私たちもう結構やったし、休憩も大切だよ。ね?二人共」


 咲茉の目は本気だ。何かを訴えかける目であった。


「まだ数分しかやってないけどな?」


「でもいいんじゃない?僕もちょっと休憩したかったし」


 湊は咲茉に一から教えていたため、大成と比べると疲労が蓄積していったのだろう。


「湊が良いならいいか」


「厄介なお兄ちゃんの了承も得たとこで、お邪魔しますねー」


 杏は大成にだけ分かるようにウインクをして、咲茉の隣に少し詰めるように座った。


「じゃあお隣、座ってもいいですか?」


 残るは大成の隣の席。結月は丁寧に許可をとった。


「大丈夫、だ」


 大成は一気に身を引き締めた。自然と背筋は伸びた。


「それじゃあ失礼します」


 結月は両手をお尻のラインに沿わせていき、スカートがめくれないようにして席に着いた。


「なんか頼むー?」


 咲茉は既に勉強道具をしまい始めていた。他の4人が頼まなくても咲茉は何か頼む気なのだろう。


「私と結月は最初からデザート食べに来てるから、何食べようかなーって」


「んじゃあ一緒にメニュー見よっか」


 その後、咲茉はオニオングラタンスープを頼み、杏はガトーショコラを注文した。結月は気分が変わったようで、何か注文することはなかった。時間帯の影響もあって、注文した商品は割とすぐに届いた。


「みんな知ってる?私も噂でしか聞いたことないんだけどうちの高校の生徒が飲食店でオニオングラタンのスープをあーんしてたってやつ」


 咲茉はオニオングラタンスープを見て思い出したかのように話し始めた。


 それはまさしく大成と結月のことだ。客の中に二人のことを知っていた人が居たのか、どこからかそんな噂が流れてしまったようだ。大成はあまり顔に出づらいため良かったのだが、、


「!!???」


 咲茉の話を聞いた結月の顔がみるみる紅潮こうちょうしていく。


「ちょっと結月さん大丈夫?顔が赤くなってるよ」


 あまりの異変に湊がフォローを入れる。


「い、いや、考えたら何故か恥ずかしくなってきちゃって、凄いことをする人もいるんですねー」


 結月の言葉はカタコトになっていた。

 

「ホントそうだよねーリア充爆破しろー」


 杏は目の前に張本人がいるとも知らずにズカズカと言葉を吐いていく。そしてそのたびに結月の顔はどんどん赤くなっていった。


「ん?」


 大成は自分の太ももに何か当たっていることに気が付き、下を見てみると結月が大成の太ももを人差し指でちょんちょんしていた。


 結月は大成の耳に近づき、小さい声で話しかけた。


「先輩、内緒にしてますよね?」


「そうだけど、」


「超恥ずかしいんですけど」


 大成もドキドキしてきた。大成の耳に結月の吐息が当たる。ついでに良い匂いもする。


「ちょっとーそこの二人、内緒話は厳禁ですよーなにかやましい話でもしてるのー?」


 咲茉が二人を見て何か思ったのか、ドキドキな展開から現実に引き戻した。


「さあ?」


 大成は気にせずおどけてみせた。


「そうですかい」


 咲茉はあまり気にしていないかのようにオニオンスープを飲んだ。二人の間食が終わると、五人は徐々に勉強を始めた。ノートの内容を一通り覚えた大成は、スマートフォンで英単語を目に通していた。


「先輩、今空いてます?」


 そんな大成を見て、結月は話しかけた。


「まあ、見ての通りだな」


「先輩、数学ちょっと得意でしたよね?ここの問題の解説をして欲しいんですけど」


「ちょっと、じゃ無くてだいぶ、得意だ」


 大成はスマートフォンをポケットにしまい、結月の問題集に目を向けた。


「どの問題だっけ?」


「ここですよ、見えないんですか?もう、」


 結月は大成の方にぐいっと席を近づけた。距離は拳2つ分ほど。


「あー集中出来そう、超」


 大成のすぐ左に結月の頭がある。薄いピンクの花が想像できる良い匂い、これが大成のやる気エンジンを吹かせた。


「なら良いですけど」


「最初にここをー、」





「なるほど、、じゃあここを、こうして、これでどうですか!」


 ばん!と途中式と答えが書かれた問題集を結月は大成に見せた。


「うん、合ってると思う。その調子だな」


「だいぶ、数学が得意な先輩のお陰ですね」


 結月は大成に手のひらを向けた。


「それもそうだな」


 大成は結月の手のひらに手のひらを弾ませた。そしてそれを見た反対側の3人。


「2人はくっつくのが好きなんですかぁ?」


 咲茉はニコニコしていたが目が笑っていなかった。咲茉は大成がここまで結月と仲が良いと聞いていなかったからだ。大成にはこれから咲茉の質問責めが待っているだろう。


「ち、違くて、私が分からなかった問題を先輩に教えてもらってたんです」


 結月は恥ずかしくなり、席を元の位置に戻した。それと同時に大成のやる気は喪失していった。


「ピロン」


 杏はニヤニヤしながらスマートフォンの録画停止ボタンを押した。


「その動画、どうするつもりだ」


 この動画が出回ってしまうと、ついには学校での大成への視線がゴミ以下になるだろう。なんたって相手は白井結月なのだから。


「いやぁ?お兄ちゃんに何かお願いする時に使えるかなぁって」


「よく厄介って言われない?」


 大成の声は少し荒くなっていた。


「はいはいそこまで。兄妹喧嘩?はそこまでにしておいて、大成の妹さんも理科に分からないところがあるんでしょ?僕が教えてあげるから、2人はそっとしておいてあげよう?」


 湊は大成にだけ分かるように、目を合わせて親指を立てて見せた。


「どいつもこいつもだな」


 大成は1人小さく呟いた。


「先輩、何か言いました?」


「いや、何でもない、気にしないでくれ」



 家に帰ってからはジャンケン対決が始まった。大成が勝てば杏が撮った動画を削除。杏が勝てば一個数百円のカップアイス。

 三度目でようやく勝つ事ができ、無事動画は拡散される前に削除された。その代わりに、大成はバイトのシフトを見直すことになったのであった。

 

評価してくださっている方々、本当にいつもありがとうございます。これからも色んな人からの評価、お待ちしています。

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― 新着の感想 ―
見せびらかすかの様に大成にグイグイ近づく結月が可愛すぎました。また、その2人を茶化す杏と湊含めて青春してんなと思いました。最後の後日談がちょこっとしかなかったけれど、尊い 大成と杏の絡みを見ることがで…
始めは、大成達先輩組だけの話だと思っていました。しかし、杏と結月が登場してきたので驚きました。特に、杏が結月の反応を気にせずマシンガンの様に言葉を発していき、それによってどんどん照れていく結月の反応に…
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