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焔の幽閉者!自由を求めて最強への道を歩む!!  作者: 雷覇


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18/42

迎えが到着

焔木瑞穂と焔木刹那は、小舟に揺られながら夢幻島へ向かっていた。

目的はただ一つ――海人を連れ戻すこと。それが叶うのは、彼がまだ生きていればの話だ。


海人の体には特製の呪符が仕込まれており、位置の特定が可能だった。たとえ死体になっていたとしても、回収はできる。


「ついに三ヶ月経ったわね……海人、無事だといいけど」


「大丈夫よ。あいつ、妙にしぶといし」


二人は海人の生還を信じていた。しかし、その信念を面白く思っていない者もいた。焔木健太とその取り巻きたちである。


「はっ、あんな無能、生きてるわけねーだろ。とっくに魔獣の餌さ」


「「そうだそうだ」」


「ほんと、時間のムダ。こんなの、ただの死体回収だろ」


その言葉に刹那は苛立ち、目を吊り上げた。


「文句があるなら来なければいいでしょ!海人が死んだと決まったわけじゃない!」


「当主の命令じゃなきゃ、誰がこんな島に来るかよ。あんな奴が剣だけで生き残れるわけないだろ?」


「それ、あんたが“呪符”を盗んだからでしょ!」


「アイツにはもったいなかったんだよ。俺が使った方がマシってもんだ」


「……アンタねぇ!」


「刹那、もういいわ。相手にする価値もない。それより、見て。島が見えてきた」


瑞穂は穏やかにたしなめながら、視線を前方へと向けた。

夢幻島は霧に包まれ、遠目からでも異様な空気を放っていた。


強力な魔獣が徘徊するこの島への上陸にはリスクが伴う。そのため、武装した焔木一族の若手数名を伴っての遠征となった。健太たちが混じってしまったのは、計算外ではあったが――


(……それほど、一族の中も人手不足なのね)


近年、魔獣の活動が活発化しており、主戦力の多くが別任務に出払っていたのだ。


「ここが夢幻島……初めて来たけど、綺麗な島ね」


「普通の人間は足を踏み入れない場所よ。ここは、“罪人の終着地”だから」


夢幻島は結界で覆われ、魔獣の外部流出を防ぐと同時に、罪人たちを送り込む“捨て島”として扱われてきた。


「……じゃあ、海人の居場所を探りましょう」


瑞穂は懐から呪符を取り出し、低く呟いた。


「……感応しました。かなり近いです。こちらに向かっているみたい」


「生きてるの!?」


「いや、そりゃ食べた魔獣が来てるんじゃ――」


健太の言葉を無視して、瑞穂と刹那は森の奥に目を向けた。

すると、木々の合間から3人分の人影が現れ、砂浜へと歩み出てきた。


「――ようやく迎えが来たか。待ってたぜ」


先頭にいたのは、間違いなく海人だった。

だがその姿は、島に送られた頃とはまるで別人だった。

全身に力がみなぎり、目は燃えるような強さを宿している。


「海人!よかった……本当に無事だったのね!」


「やっぱりね、しぶといわ」


瑞穂と刹那が駆け寄る。


「これで俺も島を出られるんだろ?」


「もちろんよ。……でも、その二人は?」


「20年も島で生き延びてた焔木桐生と、封印されていたメイドのゼロだ。こいつらも一緒に連れていく」


「えっ……焔木桐生? まさか、あの“行方不明になった”桐生さん?」


名前に聞き覚えのあった瑞穂が動揺するのも無理はなかった。

しかし、封印されていた“メイド”という存在には、理解が追いつかなかった。


「よう、嬢ちゃん。俺は海人と行くって決めた。同行させてもらうぜ」


「私もマスターの従者です。反対意見は却下します」


「……ちょっと!勝手に話進めるんじゃないわよ!」


健太が苛立ちを爆発させながら前に出てきた。

生きていただけでなく、訳の分からない2人を連れている海人に、気が立っていた。


「お前らなんかを島から出す気はねぇぞ!どうせその二人に助けてもらって生き延びたんだろ?そんなのズルだ!不正だ!」


「……なんだ、このクソガキ。やっちまっていいか?」


「私がやります。覚悟はできているでしょうね?」


桐生とゼロが殺気を放った瞬間、健太は目に見えて後退した。

彼らが“ただ者ではない”と、直感が告げていた。


「な、なんだお前ら……やる気かよ……?」


「やめとけ。こいつらは……俺でも止められねぇ」


海人が一歩前に出ると、健太は逆に余裕を見せ、にやりと笑う。


「ふん……いい度胸じゃねぇか、海人。かかってこいよ!」


「――言われなくても、行くさ」


海人の足元に氣が集い、空気が震えた。

数ヶ月前とは違う。

もう、彼は過去の自分ではなかった――。



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