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魔王バイトで異世界最強  作者: 言兵衛
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最強能力てんこ盛り

毎日がだるい。


社会に期待を抱いて出ていったらこのザマだ。


イヤミを言う上司はいるし同僚優しくねぇし部下はかわいげねぇし。


そんな生活に嫌気が差してた。そんな俺を救ったのが、異世界転移ってやつ。


家で一人寂しくカップ麺を食べているところ、女神サマに呼ばれたんだ。


「田中 ミコトよ。あなたを異世界へ転移させます」


「はぁ、いきなり」


「まあ私の気まぐれです」


「気まぐれなのかよ」


「もう私も飽きたんですよ。毎日のように来る人間に人生つまらなくならない程度のチートスキル与え続けて......いい加減ハゲます」


カップ麺食べながら女神の愚痴を聞いていると、女神は言った。


「なので、あなたには人生イージー過ぎてつまらなくなるレベルのチートスキルあげます」


「って、それほぼ八つ当たり」


「いいから!! はい時間操作と不老不死と超絶フィジカルと!? まあいっか。あとから追加すれば」


スキルを与えたような仕草を見せると、俺は突如として違う場所にテレポートした。カップ麺を食べながら。


「うお、転移した」


よくあるファンタジーの町並みだな。


「キャー、誰がその男を捕まえてぇ!! 」


女の悲鳴と共に、強盗風な男が俺に向かって走ってきた。


「どけどけぇ!! 」


「ムリ」


カップ麺すすりながら強盗のタックルを受けると、俺はなんのダメージもなかった。ピクリとも動かなかった。代わりに強盗は弾かれたような感じになっていた。


「いてぇ......なにしやがんだ! 」


「いやお前がぶつかって」


「うるせぇコノやろぉ!! 」


「おりゃ」


俺が強盗の腹を軽く蹴ると、見た目からは想像もできない勢いで吹っ飛んでいった。通行人たちはすごーいだのかっこいいーだの言っている。


「あ、ありがとうございます。なんとお礼をしたらよいか」


強盗に盗られていた荷物を女に返すと、泣きながら感謝をしてきた。若くてけっこうかわいい。


「いやいいんだ別に」


「そういうわけには参りません。何か何か......」


女は盗られていた荷物をあさり始めた。しばらくすると財布らしきものを取り出した。


「これで足りますかしら」


女は俺に黄金のコインを数枚渡してきた。この世界の通貨なのだろう。


「いいのか? こんなに」


「はい」


「じゃあもらっとく。ありがとな」


「お気をつけてー! 」


かっこよくその場をあとにした。


「しかし、金か......」


いくら最強といえど、金がなければ贅沢もできない。街の掲示板を見てみると、一枚の気になる紙をみつけた。


「ギルドメンバー募集中、か」


今の俺はほぼ無敵。ギルドでも無双ができるだろう。


「早速行くか」


酒場が本部になっているらしい。


「お邪魔しまーす」


来てみるとけっこう明るい感じだった。現世の職場よりも。


「あ! 新規の方ですね! こんにちは! 」


酒場の娘が声をかけてきた。


「えっと、紙見て来たんだけど」


「分かりました。ではこちらへどうぞ」


娘は俺をカウンターへ案内した。これまた女性が対応をした。


「ようこそグラディアノへ。ギルドへの加入を希望ということでよろしいですか? 」


「ああうん」


「それでは能力を測らせていただきますね。この水晶玉に手をかざしてください」


言われた通り手をかざす。しかし水晶玉は何も変わらなかった。


「......何の才能もないんですね」


「えぇ......? 」


俺が困っていると、遠くのテーブルから声がした。


「僕のパーティに入らないかい? 」


その声の主は、いかにも主人公な勇者だった。周りに女のメンバーが3人いる。


「君のような新人君に色々教えてあげるのが好きなんだ。是非入りなよ」


「ああ、まあ助かる」


同じテーブルに座ると、自己紹介をした。


「僕の名前はジ


割愛する。まあ簡単にいうとナルシストな勇者だ。


「実はね、僕は今から最高難度のダンジョンに挑もうと思う」


「はあ......」


「まあ、僕の強さを見ていてよ」


-ダンジョン-


地下へと続く石畳の道。これかダンジョンの入り口だ。


「さて到着だ。くれぐれも死なないようにね」


ダンジョンに入ると、いきなりゴブリンのお出ましだ。けっこう強そう。


「頑張って勇者様! 」


「貴方様なら勝てるはず! 」


「信じていますわ! 」


「みんな......ありがとう! うおおお!! 」


割愛。とりあえず結構な時間かかりながら倒すことができた。


しかしなんだかんだあったせいで、女たちとはぐれてしまった。


「では、君と僕だけで進もうか」


「おう」


言われた通り進むと、大きな穴が開いていた。


「うわ、でけぇ穴」


「落ちたら大変そうだね。落ちたら」


俺が好奇心から穴を覗き込んでいると、後ろから勇者に押された。


「ハハハ!! 騙されやがって!! そのままドラゴンに食われろ! 」


ひでぇ。こうするために俺みたいなか弱いやつを選んだのか。まあつおいけど。


一番下まで落ちると、暗闇で光る目があった。ドラゴンのものだった。


「グワぉおおおお!! 」


「ぴんっと」


俺はデコピンで倒した。いや、おでこじゃないからピンか? まあそんなことはどうでもいい。


「うーん。出口戻りてぇなぁ」


そう言うと、なんかテレポートできた。勇者パーティの姿は見えないからもうギルドに帰ったんだろう。多分『彼は僕の代わりに犠牲になって......』とでも言ったんだろうな。


「俺も帰るか」


-酒場-


なんとか戻ってこれた。


「おーい、勇者ー」

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