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量子力学な夏祭り

作者: 空超未来一

「先輩の言う漁師なんちゃっていうの、あたしには理解できないです」

「量子力学な」


 肉の焦げた匂いと砂糖独特の甘ったるさが渦巻く夜の歩道。年に一度のお祭りムードには似合わぬ会話をする二人の高校生のお話。


「量子力学はこの世界の全てと言っても過言ではない。たとえば花火とかもな」

「花火がですかぁ〜?」

「花火が光る原理は玉に詰めた金属が炎色反応だ。エネルギー順位といっても分からないだろうから、化学基礎でも扱われる金属イオンの炎色反応を思い出して欲しい」

「先輩、あたし化学は赤点ギリギリなんです!」

「この間は赤点切ってただろう」

「知っててわざと言ったんですね! いやらしい男だこと‼」


 あーだこーだと文句を言いながらポコポコ殴る後輩をよそに、先輩はフランクフルトを二つ買って腹を満たした。


「イジワルな先輩め。あたしだって頭いいんですからね!」

「ほう」


 いたずらっぽい笑みを浮かべ、後輩は顎をくいっと上げて言ってみせた。


「たとえば幽霊の正体について。暗闇の中に浮かび上がるっていうじゃないですか。あれって幽霊自体が光ってるわけなんですけど」

「それで?」

「だったら幽霊の光そのものを科学的解明できれば幽霊の正体がわかると思うんです! どやあ」

「幽霊の正体見たり、枯尾花」

「へ? なんですそれ」


 口の端をつりあげ自信に満ちた後輩の表情がころっと崩れる。

 何を言っても無駄かと、先輩は話を戻した。


「もし幽霊が微弱な光を放つ存在だと仮定するなら、量子力学的にアプローチできる。夜にしか現れない理由にも納得がいくしな」

「うーん?」

「幽霊の放つ光が弱くて認識できないんだ。蛍が真昼間に光っても何も見えないだろ?」

「じゃあめちゃくちゃ明るい光の幽霊とかだったらお昼でも見えるんですかね?」

「もしくは色鮮やかな光とかな」


 言ってみて、二人はぼやっと想像する。


「それはないか」

「カラフルな幽霊とか、前世パリピでしょまぢで」


 ――――ふわっ


 二人の間を冷ややかな風が吹き抜けた。氷のように凍てつく感触に身体を震わせる。それから数秒をおき――――特大の花火が打ち上がった。

 ふと、既視感を覚える二人。

 その正体に気づき、顔を見合せて口元が綻んだ。


「「もしカラフルでド派手な幽霊がいるとしたら」」



 幽霊の正体見たり、あの花火。

実は、脳筋ツインテール少女シリーズ第5弾その1――――!!!!!

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