素敵な女の子
戸籍上博士の娘とされているか私は博士によって作られた人工生物だ。
表向きは日に弱くて外に出れないことにされている。しかしそれは嘘で私を作っている材質が原因。虫が寄ってくる。雨が降れば跡形もなく溶けてしまう。だから外には出せないと。なんで作ったと博士に聞いたら、お砂糖とスパイスと素敵な何かから作られた最高傑作って答えられ頬ずりされた。なんじゃそれ。博士の頬は硬いから痛い。やめい。そう思いながら早く十数年、博士が死んだ。車に跳ねられたらしい。そこから初めて外に出された。
沢山の羽音を奏でるナノマシン、空から降るは硫酸の雨。
お砂糖とスパイスと素敵な何か、全部有機物で出来たわたしには生きれない外。わたしが生きれる空気が詰められた透明な箱の中からぼんやりと眺めていた。