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冒険者side いきなり神様

 もう見慣れた教室にチャイムが鳴り響く。


「じゃあ今日はここまで。気をつけて帰るんだぞ〜。」


 担任の先生が間延びした声で言う。


皐月(さつき)〜。帰りみんなでカラオケ寄ってかない?」


「あ、ごめん!親に早く帰れって言われてて。」


「え〜、残念。最近そういうの多いね。」


 確かに少し頻度を上げすぎた気がする。気をつけよう。


「バイバ〜イ!」


「うん、また明日!」


 教室を出ても廊下まで笑い声が響き渡る。


「また明日、か。」


 明日も学校に来ないとなのかぁ......。


『あいつらは狂っている。』


 彼の言葉を思い出す。


「今、何してるのかな.....。」


 みんな、一年前の出来事なんて無かったかのように毎日幸せそうに笑っている。


「明日、学校休もっかな....。」


 最近少し、休みすぎな気もするけど。


 私は学校を出ると家に向かって歩き出す。


「ただいま〜。」


 玄関の鍵を開けて家に入る。返事をする人は誰もいない。


 親は仕事が忙しく、海外で今も働いているだろう。家に帰ってくる日はほとんどない。


「.......勉強するか。」


 他にすることもないし。


【日本の皆さんこんにちは〜!!】


「っ!?」


 な、なに?


 突然、頭に声が響いた。私は思わず頭をおさえると、周りを見渡す。


 薄暗い家には人の気配は自分の他には無く、声の主は見つからない。


【はじめまして!神様だよ!今から日本の皆さんには実証実験に協力してもらいまーす!】


 再び、少し幼い中性的な声が頭の中に響く。


 誰....?神様?実証実験?何を言ってるの?


【あれ〜?みんな理解できてないかな?じゃあボク優しいから簡単に絵で説明してあげるね!】


 その声が聞こえた次の瞬間、視界に真っ白な紙のようなものが映り込んだ。


【地球の人間たちはね、少し暴れすぎちゃったんだ!だから地球の神様たちは怒って人類を滅ぼそうとしたの!】


 その声と同時に真っ白な紙のようなものに人のような絵が描かれていく。


「ふふっ.....。え、神様って幼稚園児なの?」


 まるで幼稚園児がスケッチブックに殴り描きしたような絵を見て思わず笑ってしまった。


【でも神様っていうのは結構めんどくさくてね。直接手出しすることは禁止されてるんだ〜。だから確実に人類が減って規則にも触れない方法で解決しようとしたんだ!それが『悪者殺し合わせよう計画』!】


「..........へ?」


 いきなり物騒な話に......。神様はネーミングセンスがないってことは分かったけど、それ以外はよくわかんないな......。


【ということで君たち日本の人間にはダンジョンマスターVS冒険者の世界をつくるきっかけとなってもらうねっ!】


 どういうわけで!?急すぎるでしょ.......。せめてもうちょっと説明してよ!


【詳しい説明は日本のランカー3人に話しておいたから後で聞いといて!】


 随分と人任せな神様だなぁ.....。というかランカーって何......。


【じゃあ今からダンジョンマスター陣営の人はそれぞれダンジョンコア部屋に転送するね〜。あ、ちなみにダンジョンマスターは各都道府県につき2人ずつだよ!】


「......まあいずれ分かるか。」


 私は考えることを放棄した。


【よし!じゃあ残った冒険者諸君!君たちは全員ステータスを手に入れたはずだよ!「ステータスオープン!」って言って自分のステータスを確認してみてね!】


 さっきからこの神様テンション高いな.....。ストレス溜まる....。


「ステータスオープン。」



《名前》水瀬(みなせ) 皐月(さつき)


《種族》人間


《年齢》17歳


《称号》冒険者 剣聖


《レベル》1


《スキル》

剣術Lv8


《エクストラスキル》

剣技熟練度大アップLv –


《ユニークスキル》

剣聖Lv1




 目の前に、薄い水色の画面のようなものが出た。


「これがステータス.......。」


【みんな見れたかな?スキルによって何をするのか決めてね!戦闘系のスキルなら前線で戦う冒険者。製作系スキルなら武器とかの作成をする職人。特に良いスキルがないなら今まで通りの生活をしてね!】


 私は多分戦闘系だよね。じゃあ戦わないといけないのか......。そういえば私は何と戦えば良いのかな。


【冒険者陣営の諸君はダンジョンを攻めてモンスターを倒してね!それによってアイテムが出てくるよ!アイテムは装備の素材に使えたり装備そのものが出てきたりするんだ!他には異世界の食べ物とかも出てくるんだ!】


 へ〜。少し気になるかも。


【あ、ちなみに日本外にはもう出れないからね!食料とかエネルギーとかはダンジョンアイテムが主流になるね!】


 え、日本外にはもう出れない?どういうこと?


【じゃあそろそろボクは帰って遊.....仕事するから、頑張ってね冒険者諸君!】


「え?ちょっ!」


 絶対遊ぶ気でしょ神様.....。


「取り敢えず、神様見つけたらぶん殴るの確定ね。」


 私は怒りを抑えつつ決意を固めた。


「でもまあ、丁度いいか。」


 学校行かない口実もできたし。


「神様もだけど、君も見つけたら一発殴るから。(かえで)。」

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