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エイプリルフール番外編

「第一回!エイプリルフール企画~!」

大量のビールのような液体が注がれたジョッキを掲げ、高らかに宣言する。ちなみに、ビールのような液体の正体は麦茶である。


「き、企画?」

首をかしげながら、メロンソーダを飲む隼人。

最初はビールが注がれたジョッキを持っていたが、

鬼の形相の仁香にジョッキを取り上げられた。

その時の隼人は久しぶりに飲もうとしていたビールを取り上げられ、少しだけションボリと落ち込んでいた。


「鹿娘、企画じゃなくて飲み会だ」

ソファーの上で足を組み、鹿娘をジト目で見る。


「もぉ~、心ったら表情が硬いぞ♡

もっとファンキーに行こうよファンキーに!

あと服装も少し考えたよ方がよかったんじゃないのぉ〜?」


心のほっぺたをツンツンを指で小突き、その後に首に着けているチョーカーのハートの部分をゆっくりと指でなぞっていく。


心には、鹿娘に強く言い返せない理由があった。

それは、この飲み会に参加している人の中で、シワひとつない白衣を着ているのはもちろん心だけであり、少し浮いてしまっているからで、珍しく鹿娘が言うことにおいてはまともだからであった。


「ねぇねぇ隼人君、ちょっと教えてほしいんだけどさ、もしかしてお酒に弱かったりするのかな?」

軽く僕の肩を叩いて、微笑みながらそう尋ねてくる琴乃さん。


「う~ん、どうなんでしょう?僕的には強くも弱くもない気なんですけど、仁香が禁止って言うので、本当は弱いのかもしれません...」


お酒は好きでもないし、嫌いでもない。

でも、たまに何か嫌なことがあった時には飲みたいと思う。

あの酔った時の感覚が何もかも忘れさせてくれるから。


「へぇ~、そうなんだ~!じゃあさ!これ、飲んでみる?」

そう言って、琴乃さんは持っていたグラスを僕に渡そうとするが、


「お!なんですか~これぇ!いっただっきま~すぅ!」

僕と琴乃さんの間に急に美野さんが割り込んで来て、グラスを琴乃さんから奪い取る。


「え?...」

キョトンとした表情の琴乃さんの前で、ぐびぐびと勢いよく飲んでいく美野さん。


「かぁ~!!なんですかコレ!度数結構高いし、なんにせよ体が熱くなってくる!!なにコレ~フッシギ~!!」


グラスを叩くように近くにあったテーブルに置き、美野さんは服を脱ぎながらどこかに行ってしまった。


「「.....」」

僕と琴乃さんの間にだけ沈黙が訪れる。

聞こえるのは、周りの雑音だけ。

斎条先輩と紀伊野さんが口喧嘩する音や、心のほっぺたをムニムニして、まるで変態のような声を出している鹿娘の笑い声。

そして、希更のカメラのフラッシュ音。

...なんだろう、宅飲みってこんなに騒がしいものだっけ?


この小さな空間の沈黙を破ったのは意外な人物だった。


「は~やと♥久しぶり~♥」

後ろから誰かが抱き着いてくる。

どこか懐かしく感じるぬくもり、そして甘い香水の匂い。


「麗華?...今は海外じゃ?...」

抱き着いてきた人の正体は、学生時代の親友の麗華だった。

麗華は世界的に有名なピアニストで、海外を転々としている。

今は確かアメリカにいるはずじゃ...


「ちょっと~、再会して最初の言葉がそれぇ?酷くなぁい?」

耳元でこそばゆい感じで囁かれる。

というか、目の前にいる琴乃さんの目つきが怖いから、

抱き着くのは今すぐにやめてほしい...


そんな僕の思いも虚しく、

「は~やとぉ~は~やとぉ♥」

と囁きながら、鎖骨から脇腹までゆっくりと滑らせるように触っていく麗華。

...これは絶対に酔ってるな。

麗華は普段からスキンシップが過激だったが、ここまで過激ではなかったので、酔っているとしか考えられない。逆にこれがシラフだったら少し怖い。


「ねぇ、何してんの?あんた」

後ろから抱き着いている麗華のさらに後ろから、

僕の聞きなれた声が聞こえてくる。


...なんだろう、あれ...おかしいな...全身の震えが止まらないや...

僕はゆっくりと、後ろを振り返ると、


「人の旦那に何色目使ってんのよ!!!」

鬼の形相よりもさらに恐ろしい表情をした仁香がいた。

内心、【人の旦那】と言ってくれたことが嬉しくて胸の鼓動が早まったが、後ろにゴゴゴゴゴゴという表記が似合いそうな雰囲気を醸し出している仁香を見て、鼓動が早まった原因は恐怖だと確信した。


「へぇ?別に隼人は嫌がってないみたいだけど?ねぇ隼人?」

僕は、生まれたての小鹿のようにピクピク震えているのに、麗華はビクともしない。

あぁ...なんだろう...麗華って頼もしいなぁ...

僕は、恐ろし過ぎる仁香を見て、現実逃避をしてしまっている。


(鹿娘、助けて)

僕は自分が出せる最大限の勇気を振り絞り、

鹿娘に救援の合図を送った、

そうすると、心に膝枕してもらっている鹿娘は、


(あばよ、戦友)


とでも、言うかのように、敬礼をしながら夢の中に消えていった。


----


数時間後...


かなり時間が経ったというのに、静かになると思いきや、

さらに盛り上がってしまっている。

仁香と麗華が衝突した時は、心が仲介してくれて、なんとか生き延びることができた。


僕は、近くにあったビーフジャーキーを食べていると、

心が僕の近くにやってきた、


「はいコレ、あの馬鹿(鹿娘)から」

僕が手渡されたものは、一つの封筒だった。

早速中を見てみると、中にあったのは手紙だった。



いつまでもサボり続けているクソアホ野蛮人へ


はよ続きかけや


by 手伝い人


「...ナニコレ?」

内容は全く持って意味が分からないものだったが、

僕の棚の中に入れて置いた。

ブクマ、ポイントお願いしますm(__)m

えぇ~っと、なんかこんな日に何もしないのはなんかなぁ...と思いましたので、本編に一切関係の無い番外編を書いてみました。本編は...今のところまだ700文字程度しかできてないので、毎日毎日少しづつやっていこうと思いますので、今後ともよろしくお願いしますm(__)m


…いや、私が言わなかったらエイプリルフール企画やりませんでしたよね…

ちなみに鹿娘と心が手紙を渡したのは私が考えたキャラだからです。by手伝い人

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