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ただただただ。 ~変わらないもの~  作者: けー
十七章 証明

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次の行動



「おはようさん、三人早いな」

「おはよ、お兄ちゃんがいつもより早いんやろ」


 そろそろ朝ご飯でもしようかと立ち上がれば、コーヒー淹れてと声が聞こえる。言われると思ってましたよ、とあたしは準備して席に戻れば、まだ眠そうなお兄ちゃん。


「なんや人の顔じっと見て」

「目が覚めたら言うわ」

「なんそれ、めっちゃ気になるから早よ言え」


 嫌そうに顔を歪めてお兄ちゃんは言うから、あたしはまあいいかと口を開く。


「二人から他のギルドに関しては聞いたけど、世界の場と宵闇が消したとこはどうなっとん?」

「どうもなってないわ。高遠さんから各支部にはがっつり脅しかけてもらって、実際何箇所か場を消して終いや。祠の強化は終ったみたいやし、消されたとこに関してはまだ調査が終わってない」


 二人の言う通り、お兄ちゃんもそこまで詳しいことはわかっていないみたいだ。高遠さんとは仲良くしていても、組合とあたし達は別もんだから、そうゆうもんかと納得しておく。


「あと商店街について一個浮かんだんやけど、結構無茶する人増えるし、治安問題大変そうやねん」

「そんな前振りいらんから、さっさと言え」

「今色んな所で転移陣見つかってるやん? それを利用して組合が地下空間見つけたことにして、そこに商店街作るのは?」


 お兄ちゃんの顔が真剣になった。


「表向きは組合管轄にして、ギルドとして薫さんに大きめの店構えてもらう。他にもお店してもらう人呼んで、組合側からもお店出してもらってすれば十分でいけると思うねん」

「問題は治安維持とそこに行ける奴らの選別か」

「うん、地下に留まろうとする人は多いと思うし、それに他にも地下空間探そうとする人は多いと思う」


 わざわざ空間を繋げて考えるから難しかった、なら最初から切り離して考えてしまえばいい。


「なんやったら家に続く門をそこに繋げるのも考えたんやけどな、家への道は別に移して」

「できるんか」

「できる、ただ見た人おるからそれこそ厳しいかと思ってん」


 戸上さん達が来たとき野次馬の数は多かった、あの奥が通路の様になっているのを見た人も多いだろう。


「最初は門閉めっぱなして、商店街の状態みて開けるでも行けるやろ? 神が作った不思議空間や、成長してもおかしくない」

「別にそこまでせんでも、転移陣あればなんとかなるやろ?」

「ギルメンの家族が使いづらいからな、最初は勘弁してもらうけど」


 確かにそこはある。メンバーの家族には組合側の転移陣を使ってもらっているし、買い物とか毎回不便だろう。商店街に繋がったらみんなも嬉しいだろう。


「高遠さんとも話して決まったら言うわ、こっからはちゃう話やけど、お前はダンジョン同士が近いところと単体のところ、どっちから攻めるべきやと思う?」

「難易度は上がるけど近いところ、一個でも潰せば魔物の出る数は減るし魔素も少しは落ち着くやろ」

「関東と他府県やったら?」


 関東と言えばすっかり魔物の領域で、魔素も濃く、たぶんもう人はいない地域だ。そこを減らしてどうする気だ? そんなあたしの考えは表情に出ていたんだろう、お兄ちゃんが言葉を繋いだ。


「転移陣のおかげで行きやすくなった、他のギルドが合同訓練したい言ってるし、高遠さんもできれば人の領域を増やしたいって言うから丁度いいかと思うんやけど」

「他ギルドって鬼やな」

「向こうが望んだことや、俺らが普段やることと変わらんわ」


 確かにそうだけど、無茶と知って突っ込もうとするお兄ちゃんに言葉が出ませんよ。


「関東の地図ってあったっけ? ダンジョンどんな感じでできてた?」

「確かにこっちにあったはずや」


 そう言って拓斗が取りに行ってくれて机に広げてくれる。それを見ながらお兄ちゃんが教えてくれる。


「こことここが一番距離近いダンジョンやな、それとここにもある、転移陣がこっちとこっち、他にもここにもダンジョンがある」

「ダンジョン多すぎやろ? 人口比率でできたんかな?」

「組合が定期的に確認に行って、あの謎植物の周りには魔物が来んことは確認できてる、それもいつもで持つかはわからへん」

「だから今のうちに謎植物使って宿営地作ってダンジョン減らすってことか、地上や上層階はメンバーと他ギルド?」

「俺らも最初から行くけどな、任せられるならダンジョン入りたいが本音や」


 地図を見ながら考える。他ギルドもいるなら転移陣から遠いところは辛いはずだし、効率を考えるとこの真ん中のダンジョンを潰したいところだ。


「やっぱお前もそこ思うか」

「効率考えたら? ただメンバーはかなりきついと思うし、ダンジョン内もどうなってるかわからんで」

「やからって事前調査するわけにもいかんしなあ」

「今回は組合からは?」

「同行したいらしい、関東は魔物がどうなってるかもはっきりせんし」


 この国で一番魔素が濃いところが関東だ、魔物の出方も強さも種類もどうなっているのか予測はつかない。


「そんな所に他ギルド突っ込むとか、その人ら寝泊まりやご飯どうするん?」

「そこまで俺らは面倒見れんよ、それこそちゃんと言うし」


 鬼畜を通り越して悪魔がいた、最悪転移陣で帰れるからいいんだろう。少しでも間引きの手としてしか考えてないからこその作戦だ。


「さすがに今回は初っ端にダンジョン破棄成功するかわからんし、リスクについては説明して参加したいならすれば? 的に言うから後は本人達次第やろ」

「恐ろしいなあ、ただ他ギルドがどんだけ参加するかにもよるやろ?」

「さすがに二つか三つやな、じゃないとメンバーが辛いやろうし」


 メンバーにある程度見させる気の時点で酷いと思います。一軍頑張れと心の中で祈っておいた。


「商店街の件は高遠さんと話詰めて、店決めて、薫育ててからやし、まあ丁度いいやろ」

「初回にこれって薫さん可哀想に」

「一気にレベルも上がるしいいことやろ、日付決まったら言うから各自準備は始めといてくれ」


 智さんやお姉達に何も言ってないのに、お兄ちゃんの中では決定したらしい。この分だと関東に行くのは早そうだな、と頭の中でやることを考えておく。


「関東のダンジョンか、やっぱり深いと思うか?」


 不意に拓斗に聞かれあたしとお兄ちゃんが止まった。


「そうやね、その可能性は高いと思う」

「魔素が濃いからこそってやつか、いつも以上に準備して行くしかないやろうな」

「メンバーの武具の整備もしてやるべきだろうな」

「今回はそのほうがいいかもしれんなあ」

「のり君と秀嗣基本で、生産職のメンバー使って頼むわ、紫藤にも言っとくし」

「わかった」

「ポーションや薬も多めに作っておきますね」

「頼むわ、最悪今回はダンジョン破棄できん可能性も考えてるからな」


 前に間引きに行ったときでさえ、地上なのにその数も強さも違っていた。あれから今どうなっているかはわからないけど、色々想定して準備はしっかりしておくべきだろう。


「他ギルドに言う時もしっかり説明してあげてよ」

「わかっとうわ、理解するかは知らんけどな」


 説明したところでわかってくれなければ意味はない。最悪こっちの手持ちを使うことも考えておかなければならないだろう。


 料理は幸康さんもいるとは言え、いくつか増やしておくべきだし、それから薬学か。しっかり休む場所を確保できるだけ有難いと思って、今のうちに頑張るしか何だろうな。



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