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ただただただ。 ~変わらないもの~  作者: けー
二章 戻っても日常には帰れない

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実験は嫌いではなかった



 地上に戻ると、丁度仕事終わりに色々買い物してきてくれたのり君が帰って来てた。


「おかえり、勝手に入ったよ」

「ただいま、のり君もおかえりー」

「今日はどうやった?」

「レベル12になりました。魔法もそれなりに順調で、四階の地図が出来上がった」

「絵里ちゃんは早いな、俺も頑張らな」


 そんな会話をしながら地上と地下に物を分けて運んで行く。今日の晩御飯はのり君が気を利かせて、お惣菜買ってきてくれたからそれと作り置きで足りるだろう。


 あたしはそのままお兄ちゃんとお姉を待つように、魔晶石の間に置きっぱなしのテーブルの上で地図を書き写す作業に取り掛かった。


 地図が書き写し終わるころお兄ちゃんたちは丁度戻ってきた。


「おかえりー」

「こんなところでなにしとん?」

「四階終わったから地図写してた、それに見てこれ」


 そう言いながら魔鉄の塊をいくつか出す、訝し気なお兄ちゃんとよくわからないお姉。


「魔鉄やって、五階の岩から取れた」

「もう五階行ったん?」

「どれぐらいこれあんねん?」


 あたしの進み具合が気になるお姉と魔鉄が気になるお兄ちゃん。知りたかったらさっさとお風呂済ませてきて、とあたしは二人を追いやり、地上に戻ってご飯の支度をする。

 と、言ってもせいぜいお味噌汁ぐらい。あとはご飯と総菜なんかを温めて並べるだけだ。


 たぶん二人はシャワーで終わらしたんだろう、早々に地上に上がってきた。居間のほうからおかえりだとかただいまと聞こえてくる。

 みんなが席につけば頂きますを合図にご飯を食べ始めた。


「んで、魔鉄やっけ?」

「魔力を含んだ鉄やって」


 あたしの言葉にお兄ちゃんが一つよこせと言ってくる。


「まだそんな量ないし、鍛冶場と細工場に全部置いといた。確認するんはご飯のあとにして」

「飯のあとは魔法や」

「あたしも魔法したい」

「恵子はのり君とダンジョンやろ」

「そうですね、さすがに一人では行きたくない」

「絵里子は一人で行ってるやん」

「お姉、状況がちゃうやろ? あたしは最初しょうがなかったし、今はレベル差も装備も違いすぎる」


 そんな会話をしながら食事を終わらせ、地下へと向かう。

 装備を整えたお姉とのり君はダンジョンへ、のり君が明日も仕事だから無理しないように言っておいた。

 あたしはお兄ちゃんと訓練室に行こうとしたら。


「お前はまだ使ってない実技室でやってこい」


 と、言われてしまった。

 たしかに属性はこれ以上あるかもわからないし、あたしの魔法にお兄ちゃんを巻き込むのも悪い。あたしは納得して実技室に向かう。



 実技室の確認は終わってたけど、使うことは今までなかった。訓練室と同じ地面に壁にある魔晶石。

 違うのはこの魔晶石では武器は出せないが、代わりに魔物の幻像を出せること。


 質感や攻撃の感触はあるのに、傷つくことはいっさいなく、倒したところでポイントも増えない。なんなら魔物の幻像を作るためにポイントがかかるぐらいだ。


 ポイントも上階の魔物は安く、下に行けば行くほど高くなる、それでも訓練室同様に周りは硬そうなので、魔法の練習には丁度いいだろう。

 魔物出さなきゃポイントもかからないし、慣れてきたら当てる訓練もできる。


 一通り属性を試すけど、やっぱり聖と魔がわからない。どうにかできないかと色々ためしてみるけどうまくいかない。


 あたしはそこでようやく思いつき、一本ナイフを取り出すと魔力を纏わせじっと見つめる。これ結構、集中力要りますね。

 鑑定できるまで数分はかかってしまったが、結果は面白い物だった。


 『聖と魔の混合ナイフ:聖と魔の混合魔力を纏うナイフ、聖魔どちらにも攻撃可能』


 チート感溢れております。あたしはそれをすぐに解除して、次々に属性を鑑定していく。結果はそのままだったけど、これならまだやれることは多そうだ。


 頭でイメージして強く思う。魔力の流れに気を付けながら手を前に出す。ふわりと現れた小さな竜巻、それは暖かな空気を含んでいてこれだけなら気持ちいい。それに魔力を注ぎながらもっと熱くなるようにイメージする。


 少し時間がかかったが、竜巻は少し大きくなりながら温度をあげ、勢いを増して目の前にある。

 この位置でも少し顔が熱くなるほどだ、あの中はかなりの熱さのはず。これがあればスライムの群れも簡単かもしれない。


 あたしは次々と混合魔法を試行錯誤しながら試し、お兄ちゃんが呼びに来るまで戦闘での使い方を考え続けた。



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