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ただただただ。 ~変わらないもの~  作者: けー
十章 目を瞑っていた現実

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準備



「お姉たちもいい感じにできたんやろ?」

「魔力の無駄減らせれたし、また速くなったよ」

「俺も身体強化も同化も強化できるようになったからな、おかげで威力は増しそうだ」

「恵子は元々雑なだけやったし、秀嗣は飲み込み早かったから助かった」

「感覚でやってることの説明って難しいもんね」


 ついのり君と共感しあう。


「で、いつから関東行きなん? お兄のことやから話ついてるんやろ?」

「明後日には移動や、一宮に車が来るらしい。そっから向こうさんが準備した飛行機に乗ってまた車」

「ならフル装備のほうがいいか」

「えーあたし嫌や、移動ぐらいのんびりしたい」

「あほか、恵子の言う通りフルじゃ。敵陣やと思え」


 それは確かにそうなんだけど、今のあたし達に何かできる人がいるとは思えない。


「それにもしかしたら、また聖女やなんやって出てくる可能性あるからな」

「威圧は?」

「解禁」


 お兄ちゃんそんなこと言っていいんですか? お姉が超喜んでますけど。


「関東行ったら女やって舐める奴にも解禁でいいで、それで使いもんにならん隊なら意味ないやろ。俺達は善意で行くんや、なんかあったらすぐ言え、速攻帰ることも考える」


 確かに国にはあたし達は自由にやるとそう伝えてる。それでも関東に行くことを決めたのは、知っている人達が気になるのと、自分たちのレベル上げのためだ。


「でも、そんとき帰りどうするん?」

「元々帰らせてもらえるかわからんからな、どっかに陣作る」

「関東にあたしらを止める気なん?」

「国はたぶんな。こんな有効的な奴ら、そりゃ手元とは言わんでも近いとこ置いときたいやろ?」


 その気持ちもわかるけど、あたしはお家に帰りたい。でもそうなるとやっぱり、国関連で会うことになる可能性もあるのか。


「今回は会談なしでとは言ってる。ただどうなるかわからんが俺と智で基本対応するから、絵里子は拓斗と秀嗣から絶対に離れるな。恵子はのり君な。それから無駄に喧嘩は売るな、威圧までや」

「無駄な喧嘩は売らんけど、絵里子に手を出そうとする奴おったら正当防衛やで」

「拓斗と秀嗣で絵里子をちゃんと見張る様に」


 最後おかしくない? お姉を止めること諦めたよこの人。つい溜息が出るが、それでも隊員さん達と会えることに、少しの安堵と不安、そんなものが入り混じる。


「なら各自準備始めてくれ。ポーションや薬類は多めに、食料もできれ多めな」

「はーい」


 今考えたら全員で遠征は初めてのことだ。食料もいつもより多くしないと大変なことになりそうだし、食材自体も持って行くかと台所で準備を進め、その後は倉庫でもいくつか入れていく。


「食料の準備ですか?」

「うん、全員やし念のため、多めで食材もと思って。智さんは?」

「薬品類を取りに」

「ポーションも多く持って行ったほうがよさそうやもんね」


 はい、と言う智さんはどこか不安げで、あたしをじっと見てくるから首を傾げ智さんの言葉を待った。


「姫様は怖くはないのですか?」

「関東行くこと? 確かに敵陣に近いけど、それでも気になるんはほんまやし」

「しかし狙ってくるものはいるでしょう」

「そう思う。けどあたしの大事なものに手を出すなら、許さないって警告はしてるもん」


 あの言葉に嘘はない。あたしが一番守りたいものが守れずに、他を守ることなんてありえない。それがあたしを動かすためだろうと。


「それだけではなく、関東の被害状況は酷いでしょう。また残酷なものを観る可能性もあります」


 眉を下げ、珍しいほどどこか情けないようなこんな智さんを初めて見た。きっと秀嗣さんから聞いているんだろう。心配をしてくれている。それだけがただ伝わるからあたしもちゃんと言葉にする。


「うん、可能性高いやろうね、辛いやろうね」

「ならわざわざ行かずともいいのでは?」

「けど気になってるあたしがいるのもほんま。そしてみんながおってくれるから大丈夫やねん、やから智さんも無事でおって、これから先もずっと」


 あたしの言葉に目を開き、一瞬の間を空けて智さんは力が抜けたように笑った。


「そうですね。姫様の身も心も守れるよう、これからも精進いたします」

「まるで騎士やね」

「そんな格好いいものに例えて頂けるとは」

「智さん十分かっこいいやん、戦ってる姿もすごいし魔法も、それに生産と交渉関係まで、弱点ないんちゃう?」

「私にだって弱点ありますよ?」

「うっそや、何よ?」


 どうしても浮かばない、あたしの中で智さんは完璧なイメージに近い。そつもなく気が利いて大人な智さん。


「私に興味を持って頂いてますし、折角ですから内緒にしときましょうか」


 優しくもどこか色っぽく言う智さん。やっぱり勝てる気がしない。


「いつか教えて下さいね」

「そうですね、わたしを見ていればすぐわかると思いますよ?」


 悪戯っぽくウィンクされて、目を丸くするのはあたしのほうだ。それもすぐ笑みに変わり、智さんと話しながら必要なものを揃えていった。



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