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ただただただ。 ~変わらないもの~  作者: けー
一章 閉じ込められたのダンション

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不思議空間



 あのまま朝まで寝てしまった。昨日どれだけ寝たのか。それほど疲れてたってことだろう。


 今日は昨日考えてた通りにダンジョンは休むつもり。焦ったところで仕方ないし休むことが大切だと気づいたから。

 ただゆっくり寝たことで体はすっかり楽になったし、すっきりしてる。これ以上寝ることは逆に体が辛そうだ。


 朝ご飯を済ませ、一昨日干していた洗濯を取り込む。適当に置いていた荷物なんかも片付け掃除する。物が少なすぎて掃除とは呼べないけど。


 ついでに布団も干しておこう。太陽なくても洗濯物よく乾くし、なんか意味あるでしょ。



 食器を洗い部屋を見渡せば、本当に殺風景だな。何もないってのが正解だけど。

 ついでに四畳も見てみれば、角兎やウリボアやゴブリンの素材が分けられることなく床に散らかってる。


 極小魔石は袋に入れておいてあるけど、こっちもかなりの量になってる。部屋の設備などで極小魔石使ってはいるんだけど、使う以上に貯まっていくんだよね。

 何かに使うかもしれないと置いてるから、こっちもどんどん増えていってる。


 種類でまとめ皮は畳んで重ねておく、牙や爪など小さなものを入れておく箱でもあったらいいんだけど、そんなものはないから簡単にだけまとめておいた。


 生活空間より四畳の整理のほうが時間かかった。それでもそんな長い時間ではないけど。



 部屋の中でやることは簡単に終わり、あたしは魔晶石へと向かい起動させる。レベルも上がりポイントも増えたから、色々買えるものも増えている。あまり必要ない物は見ないようにしていたから、何があるかわからないけど。


 ここをいつ脱出できるかわからない状態だ、なら不思議空間を少しぐらい楽しんでいても(ばち)は当たらないだろう。


 根を詰めすぎても良いことないって昨日気付いたから、どうせ休んで時間があるなら色々と確認してみたい。



 まずは道具から見ていくことにして、キッチン道具から家具家電、食料も道具に入れられてるうえに項目が細分化されてないから多いし見ていくの大変なんだよね。


 イメージは現代に有るものは道具、ファンタジーな薬なんかはアイテムって感じかな、今のところ。また増えたりしたら変わるかもだけど。


 アイテムには血止め軟膏とかあるんだけど、怖くて使う気にはなかなかなれない。ポーション(微)あれば事足りてますし。



 日用品をいくつかと、種類の増えた服から部屋着を数着買って下まで見ていく。鎧掛けも道具にあったとき突っ込みたかったけど、誰に突っ込めばいいのか。


 あとは小さなタンスもと次々と見ては買って、最後に目が止まった物があった。


 けどさすがに色々と躊躇う。理由付けができなくないけど、さすがにこの歳のあたしだし。


 それをいったん見なかったことにして、施設から興味のあった大浴場と訓練室を選んで買う。この二つでポイント万いっちゃうんだよね。大浴場が8000ポイントと高すぎだよ。

 ダンジョンに対して実用性が高いもののほうが安くなってるみたいで、訓練室は2000ポイントとお安い。



 あと興味があるのは実技室と作業場。倉庫はまだ部屋に置き場所があるし、解体場はなんか怖い。鍛冶場と細工場はあたしが使えるのかもわからないし、ってなるとこの二つになる。


 実技室はたぶん実際に動いたりできる施設だと予想してるんだけど、作業場ってなんの作業場なんだろうね? 鍛冶も細工も専用であるのに。

 この二つはポイントもそこそこで、二つで7000ポイント。買えなくはないけどさすがに色々買った後だとちょっと悩む。



 そんなにたくさん買っても全部見て回れるかわからないし、ひとまずこれだけで出てきたものを片付ける。


 家具はタンスだけだけど、それでも少し生活感が出るから不思議。ひとまず全部片づけて、立ち上がると今度は部屋の外だ。



 オブジェの部屋でくるりと壁を見て行けば、扉が二つ離れたところにできている。扉の上にはプレートがあり、実技室と大浴場の文字。あたしの部屋にもプレートで絵里子の部屋、と書いていた。いつからなんだろ?


 考えるのは早々にやめて、どきどきしながら扉の一つに近づく。


 ここだしモンスターは出ないよね? 装備なんていらないよね? 大丈夫だよね? 一応は動きやすい服だけど。


 ゆっくりとドアノブを握り中を覗き込む、見えたのは土っぽい地面の無機質な部屋で、他には何もない。


 あれ? と思い、外のプレートを見上げれば訓練室の文字。


 中に入り見渡せば扉の横に魔晶石を見つけた。それに触れて使い方の説明を読む。


 念のために極小魔石持ってきていてよかった、魔晶石に袋の半分の魔石を近づけて入れておく。そしてまた魔晶石に触れて選んでいく。



 ここでは魔晶石で選んで、色々な武器を出すことができるみたい。そのうえすごいのは、出てきた武器には自動行動ってのがあって、念じれば簡単な動きだけになるけど体を動かして教えてくれるらしい。


 繰り返し使って反復練習すれば使い方少しは覚えられそうだ。


 他にも(わら)や丸太など、的を選んで出すことができ、自分の攻撃威力の確認もできる。訓練室なかなかすごい。


 また望めば魔晶石を通して自分の動きを撮影したり見ることも可能らしいんだけど、この機能には魔石とは違う動力が必要と書いてある。

 ただしそれには何が必要なのか、文字がおかしくなっていて読めない。


 機能全てこの訓練室に限ることだし、とりあえず使わなくても特に困らないのでほっておこう。出てきた武器も訓練室の外に持ち出すことはできないと使い方にはっきり書いていた。



 とりあえず使い方はわかったし、やってみようか。短剣を選び出てきた武器を持つ。持った感じは普段使っているものとそんなに変わりなく思う。


 柄の邪魔にならない部分に赤い石が填め込まれてて、綺麗だと思うくらい。あたしが使ってるのはどちらも装飾の全くない、武骨な物だから。


 さあ準備は整った。けど、どうやって動かすんだろう? 念じるとは書いていたけど、どうゆうこと?


 短剣に願ってみる? 念じるではないよね。短剣を片手に持ち悩む。

 たぶん持ってるだけじゃ駄目なんだと思うけど、念じるの意味が分からない。


 ひとまず力を抜いて目を瞑った。手に持った短剣に集中しながら意識を向け、深呼吸を何度か繰り返すけどまだ短剣には変化がなく思う。


 やっぱり駄目か、と最後に短剣に動けと心で呟けば、体から短剣に何かが移った感じがして目を開けた。



 うん、柄の石が光ってるね。



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