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ただただただ。 ~変わらないもの~  作者: けー
一章 閉じ込められたのダンション

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考えるべきは



 昨日はあのまま寝てしまった。フローリングの床ののせいか、体が少し痛い気がするけど、背伸びして解せば気にならなくなった。


 個室のおかげかお風呂のおかげか、体のわりに頭はすっきりとして、ダンジョン生活の中で一番すっきりしてる目覚めだ。


 横に置いたままのペットボトルから水を飲み、できれば早くコップが欲しい。あと冷蔵庫も。


  あとはせめて敷布団かな。布団がセット売りじゃないことに少し腹が立ったのは内緒。不思議空間のわりに世知辛い。



 干し肉を食べながらポーチの整理、赤が十三本に青が十本。赤はポーション(微)とわかるけど青はなんだろ? 購入にあったマナポーション(微)でいいのかな。


 使えるかもわからないのに、わざわざ買って確認するのも嫌だ。ポイントが余りに余ってるわけでもないし。


 でも今のところ使い道はない。魔法なんて使えないし、ステータス画面にもMP(マジックポイント)なんてない。そのうち魔法を使えるようになるのかな?

 もし使えるようになったら、そこまできたら人間やめたみたいになる気がするよ。


 とりあえず赤を四本ポーチに入れて、残りと青は全て部屋の角兎の素材と一緒に置いておく。


 あとは残っている干し肉を袋ごとポーチに入れて、水も持っていこう。これなら毎回お昼にわざわざ戻らなくても奥まで進める。小部屋でなら少しは休憩ができるだろうと考えてだ。


 ポーチのおかげで重さを気にせず水も持っていけるのは、本当に有難い。本当は倒したモンスターと一緒に食べ物入れるのは、衛生観念的に嫌だけど、背に腹はかえられないし。


 薬のポーションを一緒にいれてる時点で諦めた。マジックバックだってダンジョン不思議の一つだし、大丈夫と信じてる。


 あとは残ってる十匹の鼠なんだけど、さすがにこれを部屋に置いておくのは嫌だな。ポーチの容量もわからないから中身は減らしておきたいし。


 どうせ鼠ならすぐ集まるし売ってしまう? そう考えてあたしは立ち上がり魔晶石にむかうと鼠を売った。そのままお風呂場で顔を洗い、乾いていた洗濯物に着替える。


 一緒に干されていたカーディガン、もう着れる状態じゃないけど丁寧に洗っておいた。伸び切って元の形から変わってしまってるけど、血も汚れも綺麗に取れてよかった。

 よく働いてくれたから、できれば家に一緒に持って帰りたい。丁寧に畳んで部屋に置いておく。



 最後に装備をつけて準備はできた。もう一度持ち物を確認して、玄関で今日も無事に戻ってこれることを願って「いってきます」と呟いた。




 昨日も思ったけど、レベルのおかげか鼠に対して手こずることがなくなった。慣れるためにも剣を使うようにはしてるけど、なくても倒せそうに感じてしまう。


 おかげで休憩を取りながらでも、昨日より早いスピードで奥へと進めてる。地図のおかげで迷うこともないし。


 けど、いつまでこのダンジョンにいるんだろ? このダンジョンで何をすれば家に帰れる?


 温かい物を食べ、一晩ぐっすり寝て、どこか頭が冷静になってしまった。


 個室もありポイントさえあれば、ここで生きていくことができてしまう。ポイントで買える物も種類が豊富で、生活に必要なものは揃ってるし、施設だってまた増えるかもしれない。


 ここに閉じ込めることが目的?


 誰に閉じ込められたのかもわからないのに、そんな不安が襲う。その考えを振り払いたくて頭を振った。


 その瞬間を逃すモンスターはいない。飛び掛かってきた鼠を避けるも、腕を掠めたみたいで血が少しにじんでる。


 戦いの最中に考えることじゃない。そう頭を切り替えて前にいる鼠に集中すればあっけなく終わった。


 溜息をつきながらポーション(微)を取り出し、飲めば傷はすぐに消え体も少し楽になった。


 量が貯まりそうなら、怪我がなくてもポーション使ったほうがいいかな。


 そんなことを思いながら、ダンジョンのことは考えないように頭の隅においやる。考えてしまえばそれだけ不安は大きくなり、ダンジョンの中では危険となるから。


 今は先へ進むしかない。そう信じて地図を確認しながら、まだ行ったことないところを優先的に目指した。




 モンスターのいない小部屋で休憩し、地図を確認すればかなり進んできたみたい。角兎も何匹か倒せばコツは掴めた。跳ね上がる後ろ脚が強いけど、空中で狙えば倒せる。


 ポーションもかなり確保できたし、途中で脛あてが出てきたときは嬉しかった。やっぱり防具って大事だよね。


 サイズが大きく見えた脛あてだったけど、使ってみれば自動で大きさが変化して、あたしのサイズに合ったときは本当に驚いた。さすが不思議ダンジョン。



 水と干し肉を取りながら地図を見る。だいぶ地図らしくなってきたけど、まだ出口らしきものも階段も見たことはない。


 一先ずはこの階を全て見て回るのが一番かな? できれば今日中に終わればいいんだけど、そう思いながら時計を見れば、午後一時になったところだ。戻る時間も考えれば六時が今日のリミットだと決めている。



 奥へ進めば進むだけ、モンスターと会う率も一度に現れる数も増えていく。

 鼠と兎の混合はあまり得意ではない。まだ鼠だけで四匹とか、兎だけで二匹のほうが楽。


 モンスターが増えるにつれ、宝箱が出てくるのも増えてきた気がする。ポーションばっかりだけど、他の物がでてもいいんだよ宝箱。


 おかげでポーションがたくさんで気持ち的には楽だけどさ。



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