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ただただただ。 ~変わらないもの~  作者: けー
四章 神職とは?

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職業の不思議



「んで、午後からはどうすんの?」


 お昼をしながらたっちゃん達にそう聞けば、まだまだやる気はあるようだ。


「まだレベル上げやな。できればダンジョンできるまでにみんな10にしときたいから」

「週末だけって考えて、あと一月半とかやろ。健也君はちょっと厳しくない?」


 そう健也君に目をやれば、どこか言いにくそうにおずおずと口を開いた。


「あの、俺、暇なとき通ってもいいですか? 兄ちゃんおらんでも」

「別にいいよー。もう鍵開けっぱなしやし、宿泊施設を使ってくれたら」

「地下おったら連絡が取れんやないか」


 健也君の言葉に軽く返していたが、確かにたっちゃんの言う通りだ。あたしは少し考えて口を開く。


「お兄ちゃんに通信用のカフス余ってないか聞くわ、最近お国によく売れてるねん」

「姉さんあたしのも」


 摩耶の言葉に軽く頷いて、なかったらごめんな、と一言言っておく。そんな話をしていたら、胡堂と秀嗣さんも上がってきた。


「お疲れー。素手で摘まむな、手洗ってこい。あと通信カフス二個余ってる?」


 胡堂が目でなんでや?と聞いてくるから、あたしは説明を添える。


「健也君と摩耶が欲しいねんて、時間できたらたっちゃんなしでこっち来たいって」

「あー、たぶんあったと思うで、なかったら作って渡すわ」

「作れるようになったん? あたしに作り方教えてくれんのに」

「お前は薬学も細工もあるやろ」


 羨ましそうなあたしを無視して、胡堂はたっちゃん達を見る。


「お前ら三人、午後から五階ボスに一緒に行かん?」

「は? 五階って強いんやろ?」

「五人で行けばなんとかならんかな? と思って」


 たっちゃんの驚きを見たあと、あたしは秀嗣さんに説明を求めた。手を洗ってきた秀嗣さんが座り苦笑した顔をしていた。


「自分たちもできれば五階を終わらしたいので、二人でもいいんですが、拓斗がどうせならと」


 いつの間にか拓斗呼びに変わってることが気になるけど、今はそんなとこ言うタイミングじゃない。


「人数で出てくる魔物の数変わるねんで? 増やしてどうするん」

「達也を盾職にして摩耶が中衛やろ? 俺は遊撃で秀嗣さんがアタッカー、健也も一応は盾が使えるしなんとかなるやろ?」


 胡堂は本当は双剣使いがよかったそうだ。


「みんなの職業決めてまうってこと?」

「そのほうが少しは楽なるやろうし、どうや?」

「俺はできれば盾職でいいし、摩耶は何になるんやろ? 健也は希望あるんか?」

「俺はできたら戦士がいい、盾も使うけどそこまでやし」

「なら、ご飯終わらしたら下で確認しよか」




 隊員さん達の前を通ってみんなで神社内へ。なぜか戸上さんもついてきたこの不思議。


「たっちゃん、盾職しかない。さすが」

「のりさんもっとあったやろ?」

「ええから、さっさとして」


 あたしと胡堂の揶揄う声を無視してたっちゃんが言うから、あたしはさっさと決定する。光るたっちゃんの姿にみんなが驚いた顔をした。


「摩耶は色々あるな、戦闘系が槍使い、魔槍使い、魔法使い。生産系で料理人もあるな。結構魔法使ってたんやな」

「魔槍使いでお願いします」

「そんな簡単に決めていいん? 魔法使いもレアやと思うで? 後衛やし」

「いいです、お願いします」


 たっちゃんの顔を見ればそれでいいと頷くので、あたしは摩耶の職業を決定し、次は健也君を見ていく。


「健也君は盾職に戦士、農家ってのがあります」

「爺ちゃんの畑手伝ってたからかなー、戦士でお願いします」


 たっちゃんを見てからこっちも決定。胡堂は決まってしまってるし、秀嗣さんも守り手になっている。職業を決めるのはこれで終わりだ。

 みんな光る自分たちを不思議そうに見ながら、早くダンジョンに行きたそうだ。


「ボス行くなら動きとか体の変化確認してから行きよ、あとポーション足りてる? ないなら持って行きよ」


 そんなことを言ってると、戸上さんが羨ましそうな顔で話しかけてきた。


「姫様ー、俺の職業も見るだけ見てもらいたいー」

「おまえ、何言ってんだ?」

「いいじゃないですか、加賀美さんみたいに守り手とか決まってるわけじゃないし、気になるじゃないっすか」


 見るだけならいいか、決めてしまうのは他の隊員さんとの差ができてしまうから、しては駄目だと言われてるけど。


「えーと、遊び人、双剣使い、ギャンブラー、宿屋の店主? なにこれ?」


 つい笑ってしまった。宿屋の店主ってなに?


「宿屋の店主ってなんなんすかそれ!? あれっすか、隊員の割り振りとか決めたからっすか?」

「一番最初が遊び人なんで、このままじゃそうなると思いますよ?」

「マジっすか!!?」


 頭を抱え始めた戸上さん、それをあたしと胡堂が笑い、秀嗣さんは苦笑気味に生活を改めろと言っていた。



 体を慣らしたらボスに挑むと言った五人を見送って、あたしもダンジョンの探索に戻る。夜はみんなで外に食べに行こうと話していたし、時間厳守だけど五人は間に合うんだろうか。


 そんなことを思いながらもあたしのダンジョン探索は平和に終わった。蜘蛛も大きいからなんとか少しは慣れて、レベルが一つ上げることができた。



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