5.メリットとデメリット3
デメリットも、ある意味金銭的なものが多いかな。
まず収入に関してなわけだが…毎年所得調査がある。
これが面倒、という人もいる。
何が面倒かというと、書き込み欄が小さい、かな。記名押印、あと家族の氏名と生年月日、職業くらいしか書くことはないが。
あと、マイナンバー記入もあり、郵送でなく直接提出を求められることが多い。
マイナンバーのおかげで添付書類が不要になるものもあるし、持っていくのも家族でもいいし。時には福祉協議会やヘルパーさんがお使いを頼まれることもある。
実際には、あれこれ控除(所得計算を低くしてくれる引き去り分)の証明書類を要しない場合は、紙一枚出すだけだ。
なお収入を誤魔化したい人には残念なことだが、正当な理由なしに申告がないとか調査に応じないとかすると、家賃が本来額の数倍に跳ね上がったり退去を求められたリする。
案外多い事例らしいが、ほんのちょっとの手間を惜しむせいで、勿体ないことだ。
まあ人間まっとーに、ということかな。
で。
収入が増えると、家賃が上がる。家賃は毎年計算する。
この場合純粋な収入でなく、控除(引き去り額)も影響する。特に、ひとり親の子供が就職すると顕著で、子の収入がプラス、子による控除が(ひとり親でなくなる分27万、特定扶養親族でなくなる分25万)マイナスの場合は、自分の収入が増えなくても家賃計算上一気に増えてしまうので要注意だ。
しかし、「収入増えてないのに!」と怒鳴り込んできた人が、当人の年収が一気に百万増えてたとか、税申告の控除を書き忘れていたなんていう例もある。
控除にあたる資格があるか、その証明書類はあるか、ちゃんと確認しておこう。
なお、公営住宅に入れる基準の収入上限があるのだが、この額をちょっとでも超えると「収入超過者」に認定され、割増し料が発生する。
基準超過がごく小さくても連続5年で割増し料が最大値に至る。とんでも大きけれは一年だ。割増しが発生することが分かったら、すぐさま何らかの対応を考えた方が良い。
制度上「住宅明け渡し努力義務」も発生し、大家さんもそのように説明するが、こちらはあまり気にしなくてよい。
問題は、家賃が高くなる、というところだけだ。
どのくらい高くなるかは、計算上の家の価値(近傍同種住宅家賃)による。
小さくて古い家なら、割増し払っても民間賃貸より安いままだ。
が。
さらに突破すると「高額所得者」となり、退去を求められる。努力義務でなく、義務になるのだ。
これは、収入の少ないがために住宅確保に困窮する世帯を保護するために必要な方策なので、そこは仕方ないと我慢して欲しい。
といっても、実際退去を迫られるほどの収入のある世帯とは、家を建ててもいけるくらいのレベルなのだよな。むしろ家賃がトンデモ高くなるので、求められるより先に出たくなる。
もし「収入超過」の判定が出て、近年中に収入の減る予定がない場合は、家賃が上がり切る前に別の住居を探すことをお勧めする。
この基準は全国ほぼ同じ(一部地域では、より基準の厳しい場合あり)なので、公営住宅には移れない。
なお、入居から三年以内や老人世帯、障碍者世帯などは「収入超過」の判定基準が緩和されるので、割増し料が発生しないことが多い(計算上高くはなるが)。
ただし、割り増し額が存外低いとか、家賃がほどほどの内に収入が下がる(離職や退職、高所得者の離脱など)とか、そのまま住んでもデメリットがないこともあるので、大家さんに相談してみよう。
ちなみに、入居から三年以内や高齢者、障碍者、子育て世帯の場合などは、基準額が緩和してあるところもある。この場合、家賃は上がるが割増し料加算によるものではない。