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小川

作者:緒形誠志
 ハイキングの途中、父と息子が小川にたどり着いた。
「おっ。きれいな川だ。清流ってやつだな。自然のなかでは、こういううれしいことがあるんだ」
「わあ。僕、のど渇いてるんだ。飲みたい」
 息子は地面に屈み、小川に口を付けてごくごくと飲む。
 父親は小川に向けて立ち小便する。
「お父さん。汚い。僕、飲んでるんだよ」
「大丈夫大丈夫。お父さんの方が下流だから、全部流される。おまえのところの水はきれいだ」

 その小川の上流で、別の親子がまったくおなじ会話をしていた。

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