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IL FALCO NERO 〜黒い隼〜  作者: 新駒直胤
熱帯の皇女と隼
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救出

短めの文章を、繋ぎ繋ぐことを決意した、ついさっき

 アレッサンドロ海の空を行く、二機の飛行艇。尾翼には、「ハサミと毒針を前方に向け、威嚇するサソリ」が描かれている。空中海賊スコーピオン団の艇だ。

 しかし、彼等は今、ちょっとした事故で、滅亡の危機に瀕している。

 分捕った品の中に、何故かラタナコーシン王国第三皇女・ラウェーンワンラー殿下が入っていたのだ。不覚にも、国際問題、国際犯罪に手を染めてしまったのだ。

 当然、団員は皆騒然とし、どうやって事を穏便に済ませるか、少ない知恵を振り絞り合っていた。一方、形式上人質になってしまったラウェーンワンラー姫は、団員達に丁重に扱われ、出来る限りのもてなしを受けたこともあって、この垢と油に塗れた空賊どもは悪い人達ではないと判断したのか、団員達と気さくに話せるぐらいにリラックスしていた。


「貴方たちは、どうしてこんな稼業をしていらっしゃるのですか?」


「どうしてって、そりゃあ、俺たちも、好きでこんなことやってるワケじゃないですぁ」


「俺たちにも耕せる土地があったら、堅気みたいに普通に暮らしてますよ」


 団員達は顔を見合わせ、うんうんと頷き合った。ラウェーンワンラー姫は、更にそのワケを問おうとした。

 しかし………



ファルコ・ネーロ(黒い隼)だーッ‼︎」



 見張り番からその言葉が放たれた途端、団員達は血相を変えて、慌ただしく持ち場についた。ラウェーンワンラー姫は何が起こったか理解出来ず、ただただキョトンとしていたが、団員の一人が対ショック姿勢を取るように促して来たため、一組だけ残されていた座席に腰を下ろし、うずくまった。




 ファルコは、先ず手始めに、スコーピオン団二番機の直上から急降下し、主翼の上に設置された、一番右側のエンジンを撃ち抜き、破壊した。そして、下方で姿勢を持ち直すと、上昇し、二番機の死角から接近し、今度は尾翼を撃ち抜き、骨組みが剥き出しになるぐらいまで破壊した。その後、二番機はするすると高度を下げて行き、着水した。




 一連の様子を見ていた一番機の連中は、ラウェーンワンラー姫を無傷で返還するためにどうすべきか、ボスも下っ端も関係無しに、あーでもないこーでもないと、激しく議論し合っていた。

 すると、見張り番が、隼からのモールス信号を大声で読み上げ始めた。


「隼から信号! 《ヒメ ヲ ヒキワタセバ バイショウキン ハ ハンブン デ スマセテヤル(姫を引き渡せば賠償金は半分で済ませてやる)》!」


 それを聞いたボス及び団員は、即、ラウェーンワンラー姫の身柄引き渡しを決意した。


ラウェーンワンラー殿下のフルネームって、一体何なのでしょうね。私にも判りません

さて、次回、いよいよ褐色の美少女との………

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