魔物狩り始めました
小屋を出るとそこは森が広がっていた。風に揺られサワサワと木の葉の擦れる音が心地よく時折取りが飛び立つのが見える。目を凝らせば実をつけた木やキノコ類もあるので餓死はなさそうだと安堵する。
思いのままに獲物を探しても良いがまず先にスキルを活かすため投擲用の石を出来るだけポケットに詰め込んでいく。
「これくらいしか入らないがしょうがないか。そういえば魔王がいるくらいなんだから魔物とかもいるのかな?」
独り言を呟きながら食べられそうな果実を探しながら進む。少し歩くと水辺で水を飲むウサギらしき生き物を見つける。らしき、というのはそのウサギの頭には一本のツノが生えているのだから普通のウサギでは無いからだ。
「いざやるとなると緊張するな。実際生き物を殺すなんて日本じゃ無かったし……ええい!やらなきゃ帰れないんだ!いい加減腹くくれ」
腹を叩き奮い立たせると、石をウサギもどきの顔をめがけて投げる。
石はまっすぐ吸い込まれるようにウサギの顔面にヒットする。ちょうど目に当たったようで片目が潰れるがまだまだ元気な様でこちらに飛びかかって来る。幸い距離はまだあるため石を再度投げる。一発目は外れるが二発目は無事にヒット。距離が大分詰められたが二発の投石で大分弱っているらしく、跳び掛かってきたところを殴りつけると動かなくなった。
「うぅ、やっぱりいい気はしないよな。でも吐き気とかは無いし…なんとか生きていける気がする。あっ!そうだ…ステータスオープン」
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種族・人族
名前・コウマ
レベル・2
スキル・逃げ足2/10投擲2/10拳闘術1/25
スキル操作1/5経験値増加1/10
スキルポイントが3余っています
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「っしゃーー!レベルアップしてる!んで、スキルポイント3点。こいつをどこに振るか……無難に戦闘に振るか?一旦小屋に戻って考えるか。焦る必要も無いし」
ひとまず石で首元を無理やり切り付け血抜きをする。もっとも水にさらしてもさほど血も抜けないので、早々に小屋まで引っ張る羽目になったのだが。
幸いキッチンには包丁もありここでようやくまともに血抜きが出来た。適当な木にぶら下げて血を抜いている間に習得するスキルについて考える。
「んー取り敢えず料理するのに火が無いのは致命的だし火属性魔法辺りを取ろうか?常用スキルにそれ用のスキルがあればそっちの方が確実だな。それとあのウサギを解体するためのスキルなんかも欲しいな……」
一通りスキルを見て結局常用スキルから生活魔法と生産スキルから解体と鑑定を習得した。
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生活魔法1/1
点火、ライト、クリーン、スリープ、エアーの魔法が使える様になる
解体1/5
解体ができる様になる。
鑑定1/10
対象の名称が分かる
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目論見通り常用スキルから生活魔法をゲットした事にルンルン気分でウサギもどきの解体を行う。使う道具は包丁で解体事態初めてだが、何故かやり方が分かる。と言うより体が勝手に動く感じである。レベル1なだけあって時間はそこそこ掛かったが無事にツノ、皮、肉に分けられた。解体が終わると同時にグゥと腹から情けない音が漏れてくる。
「あーそういやお腹すいたな……今日はこれ食って寝ようかな」
キッチンで肉を切り外で火を起こし焼いて食べる。この辺りの生き物は火を嫌うのか、それとも小屋に何か仕掛けがあるのか動物はおろか魔物も近づいてこないのでのんびり食べることができた。
もっとも味は血抜きが遅かったのが致命的だったとだけ言っておこう。




