2020年という架空の世界
1
2020年に起こった龍の侵攻は
もう人はなすすべがなくなっていた
人の心に忍び込んでくるという
そんな伝説上の生物だった龍が
現実に具現化して突如として
やってきたからだ
彼らは空をとびそして大群で
この世界にやってきた
どこからやってきたのかすら
それはわからない
そもそも現実にはあり得ない
そういう状況に実際遭遇したとき
人というのはどうしても
自分の既成概念で物事を判断するしかない
そういうショック状態になるものだ
だから龍の具現化は現実であっても
受け入れられないそういう架空な状況
妄想なのに現実しているそんな
不安定な事実だった
けれど日常は現実に沿って動くので
次第に事の次第を理解していったのだった
私はまだ幼かったのでその当時のことは
全然記憶していないが
兄がとった写真とかみて
書いたイラストとかみて
えーすごいって龍統治が
少し進んだときに思ったものだ
だけど小学校のときに龍族に出会うと
私にとっては逆に兄が描いたイラストが
そもそも絵空事のように思え
龍との共存社会が当たり前の前提となっていった
まあ子供だし小学生だったのでそれは
自然のなりゆきだった
そもそも現実って何なのか
誰が規定するのか
世界って本当に何なのか
わかるっていう人は逆に嘘つきかもしれないほど
人は世界を把握していないのだから………
2
僕が小さいとき
2020年それが起こったのだ
この国はそれで最悪だけど実は
次のステップに進めることになった
それは7年労働苦役の法で
人々は生涯労働するということから
解放されたのだ
龍族の強制力によって