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胸を付く風は徐々に冷たさを増し、その風に曝される茶色に衣替えをした葉はやがて落ち、山を成していく。

かくいう僕の手紙も、落ち葉の様に積り20枚くらいになっていた。


そんなある秋の日、彼女は何時もの場所に居なかった。

次の日も、そのまた次の日も。

名前を知ることもないまま、話しかける事も出来ないまま、彼女は遂に1か月間その場所に来る事は無かった。


僕は初めて、後悔と寂しさを知りました。


募っていた想いは行き場を失い、僕の心を締め付けていく。少しの間でも一緒に居たいと思うと、余計に苦しくなる

でも、薄々は気付いてる。

多分、もう叶わない想いだって事を。



冷たい風の音が、徐々に近付いて来るのを感じ始めた秋。

吐く息も、白く染まって散り散りに別れて行く。


あの春、話しかけていたら何か変わっていたのだろうか。

気持ちを伝えていたら、今頃隣に居てくれたのだろうか。


ぐちゃぐちゃな想いと同時に、落ち葉が1枚肩に落ちた。



複雑な想いの秋。

立ち尽くすそんな僕を照す夕焼けは、寂しげに落ちていく。


やけに短くなった日の入りが、冬の到来を告げているようだった。


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