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4  作者: RYO YOC
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シェルターA

感想、批判、アドバイス、なんでも

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 飛行機が風を殺して止まろうとしている。久しぶりのジパング、エリアシェルターAは夕暮れの中にあった。シェルターAの住民は皆、ジパングの国民服を着ている。 


シェルターAの国民は侵略対策マニュアルを熟知している。危機を感じる感覚を研ぎ澄まし、危険を予見する。俊敏に対策をたて効率的に実行する。最終保護目標と、最大犠牲数を打ち出している。


 ある日、アイハラとノブナガの所に通知が来た。シェルターAの居住権が与えられる、ということだった。会議室にはウメザコフがいた。


 神の石TaKiRoは現実の石として、または観念として降ってくる。

どこからか?解らない。私たちの持ってる最初の景色も終わりの絶望もそこからやって来る。まるで誰かが送ってくるデータのように。

誰か、神、そう呼んでもいいかもしれない。つまり私たちは神に逆らえない存在としてそれを捉えているが、そんなのは神の打ち込んだデータに過ぎない。

私たちは神のために愛する、神のために戦う、神のために平和にする。すべては神のプログラムだ。テロ組織だって神を信じている。

レオナルド・ダ・ビンチが描いた女は、妊婦だ。神と交わり子供を抱えた人間の女だ。命を宿して笑んでいる娼婦の女だ。神よりも彼女。

人間の女の笑顔、産み育て生きていくであろう妊婦の笑顔、それこそが最も大事で美しいことだ、彼はそう言いたかったのだと思う。

 破滅を信じる人間。

 再生を信じる人間。

 神はこの二つの人間を嫌う。どうしてか?神は人にそれらを行うのが無理だ、と思っているからだ。


 協力者を紹介する、と言ってウメザコフは二人に藤沢を紹介した。


 藤沢には何かが見えた。他人の感情が高まった時にはそれが形として見えた。四角や三角や丸い形が重なった波として。


ある時インターネットをしていて画面の中に微かなノイズを見つけた。雪の結晶に似ていた。その時からネットに入る時間があるときは雪の結晶を探した。


数年が過ぎて溜まった雪の結晶をつなぎ合わせるとそこに遺跡が浮かび上がった。自分の時間と力を注ぎ込めばそこにはなにかしら得るものがある。PCの画面一杯の遺跡を見たとき藤沢思った。


 遺跡の中で藤沢は男に出会った。

 男の名はウメザコフ。


 これは本当に賭なのね。FUllかzEroかなの。今までの人間がしてきた戦争ね、戦争中は作家や作曲家、画家、全部ね力に支配されたの。

戦争では武力が重視されてきた。ウメザコフさんね、神の石TaKiRoが降るって知ったときから、世界中でいろんな才能集めたの、で、武力じゃなくて想像力で戦おうよ、って言い出したの。

藤沢ちゃん何とかなんないかなって。私は電子の海の中で遺跡を発見していたの。そこに記された技術を使えば可能だと思った。

正確には遺跡じゃなかったんだけどね。そこは人類が大戦で滅ぶ、と予知していた者達の町だった。彼らは電子になることで第一次世界大戦を生き延びた。

ご存じの通りそこには闇の技術もあった。ブラックマジクテル。私はこれを擬似TaKiRoと呼んでる。使用した者にとって完全なる異物、圧倒的に受け入れがたい異物を見せるの、そして生命力の弱い人は死んでしまう。

でも効果はまだよく分かって無くて、それは効果の中の一つっていうこと。TaKiRoに対するテスト薬、と私は捉えてる。製造にはダーリンにも強力して貰ってる。


 紹介するよノブナガ。彼女の藤沢ミズエだ。

 アイハラは言った。

 あ、そうなの

 ノブナガは言った。

 じゃあ次はダーリンにも見せてない発明品を見せるわ。電子の者達の技術を使った。

 わお。

 アイハラは言って小さく驚く仕種をした。

 んん。

 ノブナガは言って二人を交互に見ながらあごを撫でた。

 何もない白いページに線を引き世界を描いていく時の力、そういうのがこの発明品の原動力。

 ミズエは言った。

 どうやって使うの?

 ノブナガは絡まり合った金属のオブジェのような物体を見てミズエに聴いた。

 それはダーリンの瞳映ったあなたの才能をもとに創られた。

 ブラックジェットって僕は名付けた。ノブナガの唄に共鳴して動く。


かくしてTaKiRoと芸術で戦うため、ノブナガとアイハラはシェルターAに召集された。


       

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