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イケメン男子は人による  作者: 日影瑠射
第三章 「誰か説明して下さい」
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六話■「誰だこの人召喚(よ)んで来たのは?」

・とりあえずトリップファンタジーがベースです。

・剣と魔法が主体です。

・主役は女の子です、一応。

・イケメンが一杯でます。

・各キーワードに間違いはありません。

・もう一度言います、間違いありません。

 私の名前は梁音零(はりねれい)。マンション菜輸田に住む、ごく普通のスーツアクターです。

 スーツアクターの時点で普通ではないと管理人一家の跳太からツッコミ貰った事があるけど、仕方がない。

 何しろ、私は人間に興味が無いのだから。



 人間に興味がないと言ったら変な人、と思われそうだから補足はしておく。

【恋愛対象として人間に興味がない】のと【薄い本で読むのに人間は興味の対象外】だからです。

 思い起こされないのは物心つく前、普通女の子が産まれたら、周りはディズ●ーやらリ●ちゃん人形やら世間一般的な女子用玩具を与えるので、当人もそれしか遊ぶツールを知らないのから結果として『女の子らしい遊び』をするのが平均らしい。

 私、なぜかその手には一切触れず、親戚のお兄ちゃんの持っていた戦隊ヒーロー物ばかりをねだっていたそうです、覚えてないけど。

 んで思い起こせるのは幼稚園の頃。ナチュラルに戦隊シリーズが好きな私は遊園地に行ったら真っ先にヒーローショーを見に行った。特設ステージでえいっ、やっ、とーしている光景をほっぺた真っ赤にして叫んでたのかもしれないね。親が迷子になった私を探しまくっていたけど。

 そして運命の時が訪れた。

 あれは多分春だ、桜あったし。どっかのヒーローショーを見に行った私は最前列にいた。

「武器を捨てろ!」

 誘拐されました。

 たまたま目に付いたのが私だったんだね、敵怪人のお兄さんがいきなりお姫様だっこだよ!

 前の回で誘拐された女の子は怪人さんが驚く位ビービー泣きまくってた。司会のおねーさん進行所じゃ無い。

 けど私は大人しかった。だから安心してショーを進められたんだね。

 私はそれ所じゃ無かった。

 怪人さんは海洋生物がモチーフだった。片目が無く、和風なのにどこかパンク系。マントが無いけどコートの裾が動く度に翻り、黒と紫そして銀で出来た鎧がミステリアスッぽい。

 初めて間近で見る怪人さん、人では無い怪人さん。

 この時、私は悟ったのだ。どうして自分はリ●ちゃんではなく戦隊ロボでままごとをしていたのか。

 私は怪人さんが好きなのだ。人間ではあり得ないフォルムが、しっぽが、羽が、牙が。

 戦隊ロボを経由して、怪人さんを思い浮かべていたのだ。

 怪人さんの腕に抱かれる幼稚園児。

 おそらくこれが、初恋。





 そのまま成長した私に親はとにかく心配した(だろうな)。

 女の子らしい遊びをせずに男の子ばかりと遊び、擦り傷作って帰るという女子力の欠片も無い小学生に少しは自分を労わってくれと嘆かれる。兄は兄でアイドルの写真見せたりテレビ見たり、友達の家に遊びに行く時に私を連れてって、そこの家の妹や姉と遊ばせてガールズトークを無理やりさせる。

 ごめん兄、私人間興味無いんでアイドルとか解んない。まあ、自分の趣味が周りと違うと思い知って外面スキルは身に付いちゃった。

 男の子と遊ぶのは戦隊ごっことかが出来るからだった。けど成長したら男の子同士でもそれが無くなる、仕方ないね。

 その後暫くして同人誌にはまりました(あれ?)


 ……ここでまた弁解させてもらうからね。

 私は人間に興味がない。アイドルとかヒーローと言ったら怪人とか非人間ばかりだった。だから思春期迎えても、異性の対象として人間でないのは自然な流れなの。

 ましてや同人誌にはまったら、人間ではなくそっち系に進むのは仕方がない。もう一度言う、仕方がない。三度目言うよ、仕方がない。


 純粋に怪人さんが好きな私と、腐女子として怪人さんが好きな私。意識の上において私は人格を二つに分けた。

 感覚としては「私」という机を「純粋に好き」「腐って好き」という二つの意識が交代交代で座るみたいな。

 この時、「ガワ」という同人単語を知った。ガワというのは実写において怪人さんのスーツを着た状態のキャラを示す。まあ、最近はアニメでもスーツ着たらガワという風潮だけどね。ほら、某働くヒーローとか。


 私は怪人さんが好き=人間外生身生物好きというのが正しい本質であるようだ。以降は怪人さんでは無く人外さんと呼ぶ事にする。

 腐ってもノーマルでも人外さんが好き。現実ではあり得ないと解っていても、画面の向こうの世界にそれはたしかに存在している。

 それだけでいい。

 たとえ側にいられなくても関係ない。

 私は…人外さんが好き。人間よりも誰よりも。

 気がついたらスーツアクターになっていた。あれ?

 スーツアクターの仕事はスーツを着て人外さんを演じる事だ。

 私は毎日スーツを着てガワになった。

 仕事場には同じスーツアクター、ガワがいる。何てウハウハな職場なのかしら!

 私はキャラになりきって演技した。声優さんの仕事なので言葉を話す事は無いが、自分に出来る力すべてを使い演じていた。

 戦いを愛する鬼神の時は傲慢で、だけど冷静に戦局を見定め、同族に愛を、人間に悪意を送る。

 けっして自分を見る事のない、愛する人間の人への報われぬ恋に苦しむ孤高のロボットハンター。背中で語るを意識して、撮影中の振る舞いに葛藤を見え隠れさせる。

 いつの間にか声優もやっていた。あれ?

 自分で演じたキャラを自分が吹き替える。それってつまり私の人外ワールド丸出しって事?

 大変だよウィキペディ●とピクシ●に私のページが出来たよ、私生活を非公開にしてくれと会社に言っといてよかったー。 

 まあそんなで、順調な人外ライフを送っていた私でした。



 ある日、日曜日。

 毎回興奮のスーパーヒーロータイムが終わったので、マンションのダストにゴミを入れようと外に出たら、鎧甲冑コスの変な人が玄関に立っていた。あれ?

 あれよこれよとの間にお城へつれて行かれ、『乙女』認定されて調べられて。

 お腹が空いたから持ってきたインスタントでお昼にしたらお裾分けした料理人が涙を流して感激してた。シュミレーションゲームのつもりで軍隊の配置や町の工業発展の長期スパンを考えたらアドヴェンが宰相府に来てくれと言ったりソラ君がお昼を奢るからと諜報部に連れていこうとしたり、シャアがウィンクしたらあっと言う間に袋に入れられた。

 もー、何が何だか大変だったよ。まあ、一度家に帰ったら、ドアノブが左右ぐるんぐるん回るのに気がついた。右に回したら元の世界、左に回したら異世界。やー、これに気がつくまで向こうごめんねってな感じ。まあ誤差少なくて良かったかな。

 うちのドア、次元跳躍能力身につけちゃったよ大家さん。すごい物件だね絶対引っ越さないよ。

 とりあえずこれで来週の戦隊が見れる、仕事に行ける、ガワに会えるよふっふっふっ。

 所がドッコイ。

 いざ『敵』というのに遭遇したら、私のハートはディメンジョン。

 竜がお空を飛んでいる。話してる、意志疎通出来る、戦ってる!

 話には聞いたけど、本物だよ!本物の人外さんだよ!!

 まるで夢みたい!!

 

 その後、一度自宅に戻って必要な物をホームセンターで買ってきて、人外さんのいるジェルディアガに行ってきました。一緒についてきたレオナとトリンが戻りたがっていたけど気にしない。まあ、敵なので攻撃される危険性大だからというのがあったけど、スプレーとライター持って来たから武器にはなる。それに私、これでもスーツアクターだからね、アクションはそれなりに得意だよ。

 で、お約束と言わないばかりに見つかった。二人は将軍と王国騎士だから強かった。私もスプレーとライターに本職の剣技で応戦しました、木刀だけど。

 あらかた倒し終えた所で追加登場、出てきた人は言いました。

「大丈夫ですか?」

 その人は私たちを助けようとしたらしい。でもあっさり倒したのでちょっと拍子抜け?

 レジスタンスの一員だと言うその人はさっきのスプレーをみて私が『乙女』では無いのかと察したらしい。はいそうですと言ったらレオナ達が慌てた。

 そしてついていった先(後でそれ言ったジェルトが顔真っ青にして何かあったらどうするんですかと叫んだ。だよねー)で会ったのが、潜伏中のレジスタンス移動部隊のリーダーで……


連続投稿でーす

主人公がやっと出番でーす

哀れ王子!

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