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14歳の誕生日、姉視点

 今日は弟エルトの誕生日。

 私(=アルト)は勇者の仕事を休暇し、父と弟の住む王都での家に、帰省していた。


 彼が生まれた時刻は15時だった。

 だから勇者のチカラが発現するとしたらその時。


 ずっと落ち着かない。

 夜もなんだか寝付けなかった。

 朝も何度もベッドの中でグルグル。

 父との会話も何回もした。

 お手伝いさんとも何回も。

 

 あと10分。

 どうなるだろう・・。

 勇者になる誇らしさ。

 勇者である苦しさ。

 脳裏を駆けてゆく・・囚われた人生。


 2年前私は勇者になった。

 それまでは亡き母の代わりに、父の領土経営を助け・・といっても、ノンビリ家事や農作業をしていた。

 領内のみんなはいつも笑顔で、仕事に実直。

 泥だらけの日々・・私は一応貴族だけど、ただの農家の娘と変わらなかった。

 王都なんて遠くの世界、貴族社会なんて知らない、関わることもない。

 おそらく領内の幼なじみといつか結婚する、そんなことを考えながら。


 生活は一変する。

 それまで生きてきた枠組みから切り離され、軍属に。

 もう2年も領内のみんなとも、顔を見れるだけで、会話をしていない。畑にも入れない。

 剣を腰に、マントを背中に。

 温かい風のない、血の冷たさの中に。

 14歳で打ち切られる子供だった日々


 たとえそれが私の知る人達の平和のためでも・・

 言われたままに見える味方を守り、敵に見える者を・・

 平和のために殺す?

 敵にも守りたい人達がいたはずなのに・・

 見たこともない『私の国の他の人達』の平和のために・・ 


 平和を守るという理由で、全ての人の平和を守らなくてもよかったの?

 そんな者になりたくなかった。


 物語の勇者は悪いモノから人々に平和をもたらす者だ。

 私はこの国では勇者だけど、その他の人々の悪いモノだ・・。

 勇者ってそんなモノ?

 救うどころか恐れられてばかり・・


 私のチカラは強い。

 目に見える全てを破壊できる・・一方的な格差・・たとえ他の勇者が相手であっても・・

 戦争の道具・・高性能な・・最高の・・


 私のチカラは強過ぎた。 

 他の勇者ですら私を恐れる。

 勇者の象徴である羽の枚数は多い程強いチカラをもたらした。

 私の羽は、唯一にして最高の4枚。

 他に判明しているのは

 3枚持ちは1人。

 2枚は3人。

 1枚は4人。

 

 私は悪いモノでバケモノだ。


 この羽は本当に勇者の証なのだろうか?

 言われている根拠はただ一つのみ。

 遠方にある神聖なチカラを持つと言われる国、そこの巫女による宣言でしかない。


 勇者の御印である羽はまだまだ解明されていない面も多い。

 色々な実験にも手を貸した。

 それは痛みを伴うものもあれば痛みを与えるものも・・そして恥辱も・・

 グッとくるものを胸に押込め消えろ消えろと念じる。


 今まででわかっているのは

 羽の出現は2年前から。

 羽の数は勇者によってが違う。

 

 なぜ勇者が生まれる?なぜ2年前から?

 なぜ枚数が違うのだろうか?なにか真の目的はないのだろうか?


 どうか弟は勇者にならないでっ。 

 

コロコロ視点が変わってます・・ごめんなさい。姉視点はもう出ない予定。


10/4土、主人公の名前変更しました。ソレに伴い姉の名前も変更しました

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