どうでもいい日々
無意味な一日が始まる。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
ベッドから半身を起こし、枕元にあったビンから酒を口に含む
グチュグチュ・・口の中をゆすぎ
ガラガラ〜・・ウガイをし
ブーーーッ・・横向いてベッド外に吹き出す。
脱力、再びベッドの中に沈む体。
チカラはわかない、体の奥底に沈んでいくようだ。
体が・・心も・・全てが沈んでいく・・
オレの意識は『液体』の中にいる・・
ドロドロの粘着質の『液体』。重い。
誰の声もどんな物音もボンヤリとしか聞こえてこない。
何が映っているのかよくわからない、色もよくわからない。水の中のように。
オレの意識もハッキリしない。
オレ自身の意識もまた『液体』だった・・固形から溶けるような。
淀んだ『液体』だ。
・・・・
?
・・
?
いや・・そんな思考、詩的な言葉(苦笑)、久しぶりに浮かんだ気がする。
妙に言葉が出てくる。
そのせいか頭がクラクラするし、胸が焼けるのを普段より感じる。
コンコンとノックの音がする。
「あー・・」
出た声で返事をするとメイドが入ってきた。
「失礼いたします」
新しいメイドだ・・もう何人目かは忘れたが。
コイツも目が何もうつしていない無表情な・・『人形』だ。
「お食事はいかがいたしましょうか?」
・・なかなか耳障りのいい声だな・・『人形』のクセに。
意識に届く久しぶりの言葉だった。
一瞬ドキッとした、そしてその刺激が体に残る。
だがソレだけだ。意識が重い。
もう何も見えなく、聞こえなくなってきた、意識が閉じる。
『液体』のなかで、もがく気も起こらない。
残った刺激だけが肉を蠢かす。
肉体が刺激を求める。
意識より肉体の衝動のみが、今のオレを生かしている。
ミタサセロ。
一日を早く過ぎるための暇つぶし、何もない日々の飢餓感。
オレはガバッと立ち上がり、メイドに近づき抱いた。
「オマエを食わセロ」
それから午前中いっぱい・・前半は不慣れな奉仕を受けつつ、時に開拓という荒々しい力仕事を繰り返す。
後半は従順なメイドのお手伝いをした。
メイドはオレに抱かれながら、窓を開け換気を行い、地べたに転がる瓶を片付け、色々な液体を口で片付けた。
・・・・
・・
荒い息が聞こえる、うるさい。
何かが抜け、クラクラする。
体が熱い。
オレ?オレなのか?
『液体』がいつもより薄いような?
ベッドに大の字になっているオレ自身の存在がわかる。
急速に意識が蘇る。
性欲の快感、性欲による支配・・破壊の念に支配されていたオレが冷える。
ああ、オレは何をやっているんだろう、ナニを。
込み上げる意識を飲み込む・・オレはまた消える、消した。
「それでは失礼いたします」
着衣の乱れを取り繕った・・破ってしまったからあまり意味もないか・・メイドが様々な液体をコボさないように部屋から出て行った。
この日はオレ=エルトが勇者になってから8年目だったと、後で知る。
文章書くの慣れません、みなさんスゴイなぁ
10/4土、主人公の名前変更しました。