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『シックネス永田』&『インジュアリみのる』

『今日も『満身創痍』の二人は負けか……』

『これで何連敗だ?』


「くそぅ……」


 ウッス!! 自分は『ジャンガリアン・プロレス』の『ヤングハムスター』。

『ヒモト』であります! ヤングハムスターは若手レスラーのことっス!!

 今日は自分が付き人をつとめる『満身創痍』のお二人の試合なんですが……


『おぉっと!! インジュアリ永田!! 古傷のヒザが痛みだした! シックネスみのるも持病のぜんそくぅ!! レフリーが試合を止めました!』


「駄目だったっス……」


タッグコンビ『満身創痍』は今日で20連敗っス……


『ケガと病気が治りさえすればな……』

『あぁ……もったいねぇなぁ……』


 そうなんです……お二人はレスラーとしての才能と体格に恵まれてるんス……怪我と病気が治りさえすれば……




「お二人とも……お疲れさまっス……な!?何をやってるんスかぁ!?」


 自分が控え室にいくと永田さんは傷に泥を塗り、みのるさんは裸で氷水を浴びてたっス。


「そ……そんなことしたら怪我も病気も悪化するっス!! 早く病院へ!! お二人は怪我と病気が治れば勝てるんスから……ぶごへぇ!!」


 満身創痍のお二人からのダブルパンチ……自分はロッカーに吹っ飛んだっス。


「なに……を?」

「ヤングハムスターが俺たちに舐めた口きいてんじゃねぇ!!」

「これもファンのためなんだよ!! 小僧!!」

「ファンの……ため?」

「そうだ。プロレスファンは『超人』を観に来ているんだ。病気になっても大ケガしてもリングで闘う『超人』をな……」

「超人……」

「そう。だから俺たちはケガをする。病気をする。ファンのためにな……それが『本物の』プロってやつだ……」


※ヒモト号泣。


「ウッス……満身創痍節……ごっつぁんです!! 愛のムチ!! いただきました!」

「ふっ……わかりゃあいいんだ……小僧。水風呂をつくれ!!」

「ウッス!!」

「それがすんだら俺のスネにダンベルをぶち当てろ!!」

「ウッス!!」




ヒモトは涙した。新のプロの姿に……

 泣きながら水風呂をつくり、スネにダンベルをぶち当てた……


『待てよ? 真のプロは怪我も病気もしないで試合にも勝つんじゃないか?』と思いながら……


 頑張れヒモト!! 偉大なる先輩の背中を追いかけ、真のプロになるのだ!!



つづく。


『シックネス永田』

181㎝103㎏

『インジュアリみのる』 178㎝105㎏

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