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エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第2章 北の森の影

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第015話 封印の間

洞窟の奥へ進むにつれ、魔力の濃度が増していく。

ユイは息苦しさを感じていた。前世でも、これほど濃い魔力を感じたことは少ない。


「魔力が濃いな」


ヴィクトルが呟く。エリナが静かに頷いた。


「ええ。何かがあります」


五人は慎重に進んだ。

壁には古い文字が刻まれている。ユイはその文字を見て前世の記憶を探ったが、どれにも該当しない。未知の文字だった。


通路が開ける。

広い空間に出た。


床一面に、巨大な魔法陣が描かれている。


ヴィクトルが立ち止まり、顔色を変えた。


「これは……」


「何ですか?」


カイルが尋ねる。ヴィクトルは魔法陣を見つめたまま答えた。


「古代の封印陣だ」


ユイは息を呑んだ。

封印陣。前世でも何度か目にしたことはあるが、これほど大規模なものは初めてだった。


エリナが魔法陣の周囲を歩く。杖を掲げ、魔力の流れを探る。


「ギルドマスター、これは壊れています」


「何?」


ヴィクトルが魔法陣に近づき、中心部を確認する。眉が深く寄った。


「本当だ。陣の一部が欠けている」


リオンが低く尋ねた。


「何を封じていたんですか?」


「分からない。だが――」


ヴィクトルは周囲を見回した。


「何かが、ここから解放されている」


ユイは前世の記憶を必死に探った。

北の森に封印陣が存在した記録はない。前世では、こんなものは存在しなかった。


では、なぜ今ここにあるのか。

そして、何が封じられていたのか。


カイルが壁に近づいた。


「こっちにも文字が」


全員が壁を見る。

古代文字が、びっしりと刻まれている。


ユイはその文字を凝視した。読めない。だが、嫌な予感だけが胸に広がる。


エリナが呟いた。


「警告文のようです。封印を解いてはならない、と……」


「遅かったようだな」


ヴィクトルが低く言った。


その時、奥から音が響いた。

重い足音。


全員が即座に身構える。

ヴィクトルが剣を抜き、リオンとカイルも武器を構える。エリナは杖を掲げ、ユイも短剣を抜いた。だが、手がわずかに震えているのを自覚した。


足音が近づいてくる。

ゆっくりと、確かめるように。


暗闇の奥から、巨大な影が姿を現した。


全身は黒い鱗に覆われ、四足で地を踏みしめている。体高は人の倍以上。獣のような頭部には角が生え、深紅の目が五人を見下ろしていた。


ユイは息を呑んだ。


それは――

ユイの前世の記憶に存在しない魔物だった。

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