蝶と蛾
掲載日:2026/03/02
〜個人的などうでもいいお話〜
お腹がもふっとしている蛾が大好きです。
もっと指に止まってほしい…もふもふ…
大抵の人は、蝶を美しいと言うけれど。
粗末な茶色の蛾を、美しいと言う者は少ない。
『同じサナギから出てくるのに、どうして美しくなれないの?』
自販機に群がる小さな蛾達に、返事はないと分かってはいるが問うてみる。
チカチカチカ。
自販機の明かりと蛾達の影。
側から見れば『気持ち悪い』だろう。
けれど、私は少し違う。
届かないと分かっている板の向こうの光へと、必死に羽を伸ばしてははためかせ続ける彼らが『美しい』と感じる。
蝶は確かに美しい。が、色彩豊かなその羽は自らを危険に陥れ、欠ければ誰にも見向きされない。
人々は完璧な美しさを求めはするが、完璧の一文字を失っただけで途端に興味を無くすのだ。
『美しい』だけでは駄目だ。
どんなに美しく産まれたとしても、顔が良いだけでは『美人は得をする』と嫌味を言われるだけだし、他の何かを頑張ったとしても先に結果の話が出てくる。
美しさは完璧であるからこそ『美しい』と言われるのだ。
光るボタンを押して、目的のジュースを買う。
ーーーー難しいことは考えないほうがいい。
人と蝶、人と蛾。
蝶から醜い蛾になった私は、絶え間なく羽ばたき続ける彼らのように足掻くのみだ。




