カナの失踪②
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僕らの結論
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僕らは、ユリちゃん家に集まり
みんなでカナの話を聞いた
父親は高圧的な人で、カナの実母は
父親の浮気に耐え切れず離婚をした
父親は裁判で母親と争い
自分に有利になるようにして
カナの親権は父親の物になった
カナは母親に付いて行きたかったけど
親権は父親が持っていて行けなかった
今の母親が父親の浮気相手で、
父親は、カナがバンドをするのを
認めていない
いい大学に行き、自分と同じ
財務省に入らせたい
その為に、勉強を強要してる
カナは、自由が欲しいんだ
僕らは、できればそれを叶えてあげたいけど
どうしたら良いかわからない
そこに、ハウスキーパーさんが
食べ物とお茶を持ってきた
だいぶ遅い時間になってる
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住み込みのハウスキーパーさん(桃園さん)
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「みんな、困ってるのね」
「みんなは、どうしたいとおもってるの?」
ユリちゃんがすぐに返した
「カナちゃんを自由にしてあげたい」
「みんなも、そう思ってるのかしら?」
僕らは、みんなうなずいた
「いいわ、わたしが一肌脱いであげますわ
大丈夫心配しなくていいのよ」
「カナちゃんがここで暮らせるように
してあげればいいのね?」
カナさんの、父親は、財務官僚の
三星 寿さんなのね
ニコニコして出て行った
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いったいどうやったの?
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カナのスマホにメールが来た
「勝手にしろ!」
その一言だった
勝手にしろってどういうこと?
カナちゃんは理解できないみたい
桃園さんが、来て話してくれた
桃園さんの知り合いを通して
カナちゃんの父親に連絡を取り
高校卒業するまで知り合いの家で
暮らす事になったらしい
桃園さん、すごい、ありがとう
「話は、大体聞いてたから
大人としてのしかるべき
手を打ちましたのよ。」
カナさんは、高校を卒業するまで
このうちで暮らして良いむそうです
桃園さん、どうやってそうできたの?
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住み込みのハウスキーパーさん(桃園さん)
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「良いですか?
よくお聞きくださいませ
あなた達は、
政治や政府やマスコミなんて
影の世界の仕組みを
知らなくてよろしいのです
真っ直ぐ自分の道を
後ろなんか振り向かずに
前だけしっかり見て
歩いていくんですよ」
それだけ言って
ハウスキーパーさんは、出て行った
カナとサユリとユリちゃんは
抱き合ってわんわん泣いている
悲し涙じゃないうれし涙だ
大人の世界は判らないが
僕は、政治には関わり合いたくない
よかった、本当に良かった
僕らは、心からそう思った




