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共鳴の声

アオイは街を歩きながら、スマホの画面を眺めていた。

そこには、AIが生成したコメントと、人間の友人たちの文章が混ざって表示されている。しかし、以前のような違和感はもう感じなかった。


――大切なのは、誰が書いたかではなく、どのように響くか。


ある日、アオイはオンラインの創作コミュニティに参加した。テーマは「心に響く音」。

人間が書いた短文もあれば、AIが提案する文章や言葉のリズムもあった。最初、アオイはAIの言葉に距離を感じた。しかし、読むうちに、心の中で自分の感情が震える瞬間があった。


「面白い…!」

人間が書いた言葉とも、AIが生成した言葉とも違う、未知の響きが生まれた。


それからアオイは気づいた。AIは単なる道具ではなく、共鳴するパートナーにもなり得るのだ。人間の感情に寄り添うように言葉を選び、予想もしない視点を示す。人間はそれに触れ、さらに自分の感情を深める。AIと人間は、互いの声を反射し合う鏡のように、世界を少しだけ豊かにしていく。


夜、アオイは再び夢の中で森に立った。無数の手の拍手は、人間とAIが入り混じって光を放っていた。どの手も温かく、互いの存在を認め合っている。アオイは微笑んだ。


「声は、形では決まらない。感じる心があれば、誰とでも、何とでもつながれる」


その日からアオイは、SNSでも創作でも、コメントの出所を気にせず、純粋に響く声と共鳴する喜びを大切にした。

人間とAIが互いを尊重しながら存在する世界は、もう遠い未来ではなく、目の前にある日常だった。

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