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マギカ ヴィジレス  作者: アロマセラP
エピソード1
18/23

第3章 買われる子供たち1

私の前には知らないおじさんがいる。


「君が優花君だね」


「は、はい」


この人はどうやら政治家らしい。


「今日はよろしく頼むよ」


私は目を背ける。


「あの、お父さん。私」


「お父さん、これが今回のお金だ」


お父さんがおじさんからお金を受け取っている。


やっぱり、今のお父さんは私の味方じゃないんだ。


「それでは、優花をお楽しみください」


そういってお父さんは去って行ってしまった。


「それじゃあ、楽しもうか」


「い、いや」


おじさんが近づいてくる。触ってくる。


(もうやだ、誰か、助けて)




魔術局の部署に珍しい客が来ていた。


「お疲れ様です。魔術局の皆さん」


「あんたが来るなんて珍しいな」


玲香の視線の先にはスーツ姿の男性がいた。整った顔立ちの好青年に見える。


「協会が何の用?」


洋子が不機嫌そうに問いかける。


彼は魔術協会の魔術師で黒川という。魔術が一般になる前、魔術師たちを統治し、道を外したものを裁いていたのが魔術協会だ。


ただ、現在では、魔術師が多くなり、統治しきれなくなったため、協会がやっていたことの一部が警察などに任せるようになった。


「話が聞きたいのはそちらなのでは?」


黒川が不敵な笑みを浮かべる。


「魔術師たちの夜についてか?」


彼は笑みを崩さない。


「魔術師たちの夜のために、というのは彼らの組織名ではなく、合言葉のようなものらしいですが」


「組織名が分かったのか?」


「いえ、それは残念ながら」


黒川が首を横に振る。


「じゃあ、何が分かったのよ」


洋子が睨みつける。


「こちらの資料をどうぞ」


黒川が差し出した資料を読んでみる。そこには魔術師が絡んだ事件について書かれていた。その中には、遊園地の男のことや、薬物を飲ませ、監禁していた男のことも書かれていた。


「これは、魔術師たちの夜のために、という合言葉をいう者たちの事件です」


「全国で起こっているのか」


黒川が追加で資料を出す。


「全国ではなく、全世界です」


その資料には世界中での事件が書かれていた。


「世界規模の組織であると」


「というよりも、日本では最近は言ってきたといった感じですね」


ここ数年、協会の統治下にない魔術組織が活動し、事件を繰り返しているそうだ。だが、今まで、誰も捕まっていないという。


「あのナイフ、転移の魔術が記憶された魔術具か?あれのせいだろうな」


「ええ、何とかそのナイフを手に入れました」


黒川がナイフを取り出す。


ナイフには魔法陣が刻まれ、魔力の痕跡もある。


「これは、すでに書いてある魔法陣の場所へ転移するというものです。残念ながらこの魔法陣は機能していません。転移先の魔法陣がすでに消されているのでしょう」


ナイフを玲香に差し出す。


「こちらを差し上げます」


「いいのか?」


「日本ではあなたたちが一番彼らと対峙してますからね。その代わり、何かわかれば教えていただきたい」


玲香がナイフを受け取ったのを確認すると、黒川は部署を後にした。


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