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マギカ ヴィジレス  作者: アロマセラP
エピソード1
17/23

第2章 魔術師たちの夜のために9


歪みが戻ると、そこは廃ビルの一室のようだった。


「あぁあ、壊されちゃった」


茨に拘束されたまま、男が悪態をつく。


「あなたを監禁の現行犯で逮捕します」


火傷の痛みに耐えながら玲香が近づく。


「逮捕?僕を?」


男が腕の蛇を使い、茨を食い破る。


「まあ、とりあえず実験は成功したし、君たちの魔術も見れたし、良しとしようか」


男がどこから取り出したのか、ナイフを掲げる。


「あれは、あの時の!」


遊園地で転移の魔術を使ったやつと同じものだ。


「また会おうね、魔術局の皆さん」


ナイフを地面に突き刺し転移魔術を使用する。


「待て!」


二人の魔術が届く前に、男は姿を消してしまった。


「また、逃がした」


とはいえ落ち込んでいる暇はない。麻薬中毒の症状が出ている彼らを病院に搬送しなければならない。


玲香が応援を呼び、まともに動くことのできない人たちを運び出す。


「あの、私は」


詩織が自分はどうなるのかを聞いてきた。


「症状が出ていないとはいえ、無理やり摂取させられているので病院で検査しましょう」


応援に来た人のパトカーに乗ってもらい、病院に行ってもらう。玲香と幸也は楓恋とともに搬送された病院に行く。




「特に問題はなかったと」


病院での検査を終え、薬の反応が出なかった詩織を連れて警察署に移動した。


「はい、いろいろ検査をしましたが、すべて陰性だったそうです」


「薬を飲まされたのにか」


今回の事件で唯一無事であった詩織に話を聞くことになった。


「あの男は何か言っていましたか?」


「特には。ただ、あの薬を飲まなければ殺すと」


彼女から回収した薬は科捜研に回して調べてもらっている。


「あの人は薬を渡す時だけ現れて、そのあとまたどこかへ消えていきました」


「名前とかは」


「名乗っていませんでした」


玲香が考え込む。


「なぜ、君には薬の効果がでなかったのか」


「効果が出なかったからあの男は欲しがったのでは?」


「なぜ?」


「それはわかりませんけど」


幸也が首を振る。


とはいえ、彼女からこれ以上聞いたところで何も知らないだろう。


もし、何かあったら頼ってほしいとだけ言って彼女を送り出した。


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