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マギカ ヴィジレス  作者: アロマセラP
エピソード1
16/23

第2章 魔術師たちの夜のために8

いきなり後ろから声が気聞こえて振り返った。


いつの間にかローブを纏った男性が立っていた。


「新しく人が来たと思ったら魔術局か」


「俺たちのことを知っているのか」


幸也が男をにらみつける。


「ああ、最近僕たちの中でも話題になっているんだ」


「魔術師たちの夜のために、か」


男が笑う。


「ああ、その言葉も知っているのか」


「ここにいる人たちを開放しろ」


「別にいいよ」


玲香の言葉に男はすんなりと答える。


「ただ、そこの女性以外はね」


詩織を指さす。


「わ、私?」


「そう、君」


幸也と玲香が詩織の前に立つ。


「邪魔しないでくれるかな」


「ここにいる全員を開放しろ」


「それは了承しかねるね」


「なぜ、彼女だけなんだ」


男は肩をすくめる。


「なんでだと思う?」


「答える気はないと」


「わかってるじゃないか」


幸也がイスで魔法陣を攻撃しようとする。


「させないよ」


男が何かを呟き、拳を突き出す。幸也が不可視の力に突き飛ばされる。頭の中を激しく揺さぶられるような感覚に陥るが、何とか耐える。


「耐えたか」


ヨグ=ソトースのこぶしだ。今回は耐えられたが場合によっては意識を刈り取られていた。


「欠乏せぬよう守りたまえ、ナウシズ!」


幸也がルーンストーンを詩織に向かって投げる。彼女の周りに結界が現れる。


「ルーン魔術か、面倒なことを」


男は呪文を唱える。腕が蛇となり、結界に噛みつく。


「ひい!」


「力(strength)、正位置(アップライト)!」


玲香が魔力を纏い、男に拳を突き出す。


男はそれをひらりとかわすと、蛇を今度は玲香に向けてきた。


「氷よ、かのものを穿て、イス!」


玲香に迫った蛇が氷塊にはじかれる。


「茨よ、かの者を拘束せよ!ソーン!」


魔力の茨が男を拘束する。


「はあ!」


玲香が男に肉薄する。


男がにやりと笑い、何かを唱える。


「あ、が!」


拳が当たる直前、玲香がうめき声を出してうずくまった。


「先輩!」


玲香の身体の一部が燃え、火傷になっていた。


「萎縮か」


玲香が幸也の方を見る。


「こっちはいい!魔法陣を!」


「は、はい」


幸也が魔法陣の方に駆け寄る。


「雹よ、災いとなりて、かのものを破壊せよ、ハガル!」


放たれた石から魔力の奔流が流れ、魔法陣に直撃する。


パリンという音ともに空間が歪む。


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