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マギカ ヴィジレス  作者: アロマセラP
エピソード1
14/23

第2章 魔術師たちの夜のために6


薄暗い空間が広がっている。狭い通路の先は光は見えず、暗闇が続いている。


「え?え?ここは?」


女性はあたりをきょろきょろと見回している。


「私たち、さっきまでエレベーターにいましたよね!?なんでいきなり知らない場所に来てるんですか?」


「合わせ鏡だ」


玲香が静かに説明する。


「合わせ鏡には、悪魔の通り道になるや過去・未来が見えるという都市伝説がある」


「ということは、ここは、過去か未来なんですか?」


「それはどうだろうな、悪魔の通り道を通っただけかもしれん」


「悪魔の通り道!?」


女性が顔を青くする。


「ここは、地獄か異世界なんですか?」


「それは調べてみないと」


「な、無い!手鏡がありません!」


女性が手元や服のポケットをまさぐっている。


「あなたの友人もここに飛ばされるときに手鏡を落としてましたし、おそらくエレベーターに落ちているのではないかと」


幸也が窘め先に進もうと提案する。


「そうだな、とりあえず先に進もう」


玲香が手持ちのペンライトで先を照らし、歩き出す。隊列は玲香、女性、幸也の順だ。


少し歩くと前方にぼんやりと明かりが見えてきた。


「ひい!」


女性が短い悲鳴を上げる。前方から低いうめき声のようなものが聞こえてきたのだ。


「ここからは、さらにゆっくり進む」


玲香は明かりを消し、ゆっくり前に進む。


うめき声は徐々に大きくなり、また、それが一人ではないことが分かった。


うめき声は前方にある大部屋から聞こえてくるようだ。


「ひぃ!」


「これは」


そこは地獄絵図だった。10人以上の人間がうめき声をあげ、よだれを垂らし、身体を痙攣させ、または身体を完全に弛緩させ、焦点の合わない目をぎょろりとさせている。


「な、ど、どうなってるんですか、彼らはいったい」


「これは、麻薬中毒か?」


玲香が男性の一人に近づく。近づいたのがわからないのか、ただうめき声をあげているだけだ。


「だめだな、完全に飛んでしまっている」


話しかけても、肩などを軽く叩いてみても反応は同じだ。ほかの数人にも試してみたが、結果は同じだった。


「何人かは、薬と言ってましたね」


「だから、ここはそういう場所なんだろう」


あたりを改めて見回す。何もないただの大部屋に薬物中毒と思われる人がいるだけ。


「あそこにいるのは」


一人だけ、体育座りで縮こまっている女性を見つけた。


「少しいいか?」


「ひい!」


女性はおびえるように顔を俯かせて震えている。


「詩織?」


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