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マギカ ヴィジレス  作者: アロマセラP
エピソード1
13/23

第2章 魔術師たちの夜のために5

「また、行方不明、か」


ここ最近行方不明者が続出していた。行方不明者に共通点はなく、情報もないため操作は難航していた。


「星野、仁藤ちょっといいか」


部長の東野理恵が二人を呼ぶ。


「部長、どうしたんですか?」


部長のところに行くと、隣に1人の女性が立っていた。


「この方は?」


「行方不明者の関係者だ」


「あの、友人が神隠しにあってしまったんです」


「神隠し?」


話を聞くと、友人は自宅のマンションのエレベーター内で姿を消してしまったらしい。一緒に出掛ける約束をしていたのだが、時間になっても来ず、電話も繋がらなかった。友人の家に行ったが居なかったらしい。


管理人に監視カメラを確認してもらったところ、エレベーターに入ったところは確認できたが、出てくるところがどこにも映っていなかったらしい。また、エレベーター内のカメラでは友人が突然消えるところも見えたらしい。


「だから、きっと神隠しだと思うんです!お願いします!」


「二人にはこの件をお願いしたい」




玲香と幸也は女性の案内でマンションにやってきた。


管理人室に行き、その時の監視カメラの映像を見せてもらう。友人である女性がエレベーターに入っていく。


エレベーターのパネルの操作をしてエレベーターが動き出すと、女性はバッグから何かを取り出す。


そして、消えた。バッグから取り出した何かを床に落として。


「彼女が落としたものは何かわかりますか?」


「それはこちらです」


管理人が出してくれたのは手のひらサイズの貝のようなものだ。


「これは、手鏡ですか?」


「ええ、これだけが落ちていました」


「これ、お借りしても?」


玲香が聞くと、管理人は頷いてくれた。


「これ、あの子のです。いつも持ち歩いてました」


手鏡を女性に渡してエレベーターに移動する。


「ここか」


玲香がエレベーターを呼び、中に入る。


エレベーター内は特に何の変哲もない、普通のエレベーターだ。入ってすぐ鏡があり、扉の横には階層のボタンがある。


「あの子は子の手鏡をもって消えたんですよね」


女性が手鏡を開けようとしたところを幸也が止める。


「まだ、それは開けないでください」


「え?」


女性は頭にはてなマークを浮かべたままだが従ってくれた。


「このエレベーターに特に何か仕掛けがあるわけではなさそうだな」


エレベーターを調べていた玲香が首を振った。


「となると、やはり」


幸也が女性に向き直る。


「手鏡を開けてください」


「いいんですか?」


「ええ、ですが、何が起きてもいいように覚悟を決めておいてください」


女性は息をのんで手鏡を見詰めた後、覚悟を決めた顔をして、手鏡を開いた。


景色が歪み、視界がブラックアウトした。


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