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マギカ ヴィジレス  作者: アロマセラP
エピソード1
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第1章 公安警察魔術局1

まるで地獄だった。


あたりに散らばっているのは焼死体となった人間だ。


救急車、消防車、パトカーのサイレンが近づいてくる。


焼死体の山の真ん中に少年が一人立っていた。


「君!大丈夫か!」


消防隊員が少年に近寄るが少年はただ呆然としていた。


「君!怪我は?火傷はないか?」


周りにはまだ炎が残っている。少年以外が焼死体となっているのを見るとかなり大きな火災があったのだろう。


消防隊員はふと、違和感を覚える。


少年に火傷の跡が全く見当たらない。服が焦げた様子もない。


突然少年が口を開いた。


小さく、こぼれるように呟いた。


「クトゥグア」




魔法、魔術は秘匿されるものだった。一般の人々はこの世界に魔法・魔術の類があることを知らない。


しかしある日、一般の人々にも魔術が発現した。


空想の中のものだと思っていたものが現実となった。


それにより、魔術を使う犯罪も多発するようになった。それに対抗するために作られたのが、


「公安警察魔術局」である。




「幸也!そっちに行ったから足止めて!」


女性が無線機に向かって叫ぶ!目の前には男が逃げるように走っている。


「わかりました!」


幸也は手に持っていた石を男に向かって投げる。


「茨よ、かの者を拘束せよ!ソーン!」


石に刻まれたルーン文字が光り、そこから茨が現れ、男を拘束する。


「くそ!」


男は手に炎を出し、茨を焼き払おうとする。


ストレングス正位置アップライト!」


女性が手にタロットカードを持ち、唱える。カードが光り、その光が彼女の身体を包み込む。


「はあ!」


女性のこぶしが男の腹部に直撃する。


「がっ!」


男の手の炎が消え、ぐったりとした。


「先輩、お疲れ様です」


幸也も男のところに近づく。


先輩こと玲香と男を囲む。


「くそ!こんなガキにやられるなんて!」


「あ!?」


玲香のこめかみに青筋が浮かんだ。男が言ったガキとはおそらく玲香を指して言っていったものだ。


「ガキ、だと。私は27だ!お前よりも年上だ!」


玲香が男を蹴り始めた。


玲香は背が低いのだ。さらに童顔なのである。


(まあ、先輩は中高生に見えなくも)


「痛ってえ!」


玲香の蹴りが幸也に飛んできた。


「先輩、いきなりなんですか!」


「お前、いま、私のこと中高生見たいって思っただろ」


「お、思ってないです!思ってないです!」


幸也は慌てて否定する。


「ていうか先輩もやりすぎですよ」


男を見ると玲香に蹴られすぎて顔が腫れあがっていた。


「すまない、つい」


玲香がカードを構える。


「剣の4、逆位置リバース


意味は回復、復活。


光が男を包み、傷を癒していく。


「と、取り合えず」


玲香が男に手錠をかける。魔術師にかける手錠は魔術を使えないよう特別な手錠を使用する。


幸也が拘束を解き、玲香が男を引きずってパトカーに向かう。



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