第7話『ヤクブーツ ヤクえもん超野球外伝』
KENTA「どうすりゃいいんだ……」
KENTAは悩んでいた。
KENTAの所属する『オクスリドープ』は、前半戦を終えて1勝2敗86分と大きく負け越していた。
デッドマンズウォーキングユウキ監督率いるドープは9人でここまで戦い抜いて来たが、もう限界だった。
「諦めるな!諦めなければ、道は拓ける!」
そう声を張るのは、ドープ主将の阿片ジャーズ。
「そうだ……頑張れば勝てるはず!」
と、タマネギ艦長。
芸歴28年の大ベテランで、このチームでは唯一のゲーム実況者だ。
「デッドマンズウォーキング、次の試合はどこだ?」
「次の試合は強敵のアッスカトロズだ。ゴミ箱攻撃に注意しろよ」
「クソ、最近便秘気味なのに……」
こうしてタマネギ艦長は死んだ。
遂に8人となってしまったドープは野球連盟を脱退し、血で血を洗う戦いを始めた。
ある時はアカバン・ロマノフ・スターダスト=ランチャーが火を噴き、ある時は野菜炒めを食べた。
そしてトラックに轢かれ異世界に転生したKENTAは、奴隷の女の子だらけのハーレムを作った。
「俺が弱すぎるってことだよな?」
「お前が強すぎるってことだよ!」
デッドマンズウォーキングユウキは目を剥く。
そう、KENTAは強すぎたのだ。
実は大賢者の元で修行を積んでいたKENTAは、野球では収まりきらないくらい強すぎた。
KENTAは目を瞑ると、彼の持つ『全てを創造する程度の能力』で、きんぴらごぼうを作る。
「お……美味しいわ!これ!」
「こんなに美味しいの食べたことない!」
KENTAの彼女のイマ・イズミ・ユイと田中山大五郎がきんぴらごぼうを食べてそう言う。
「スゴすぎる!スゴすぎるよ、KENTA!」
「あれ、俺また何かやっちゃいました?」