第4話『薬!!鳩学園』
「クルッポー」
「ククッ?クルクル、クルッポー」
「クル……クルッポー……」
ここは人々の間では恐怖の学園と呼ばれている鳩学園。
鳩学園では、人間も虫もスネ毛も皆等しく鳩となる。
「全く、気が狂いそうだな」
そんな鳩学園に足を踏み入れたのは、デッドマンズウォーキングユウキとKENTA。
「なぁデッドマンズウォーキングユウキ、こんな天然パーマの鳩しかいない場所に伝説の剣があるのかよ?」
「ああ。俺はストレートパーマをかけたけどな」
「なっ!?いきなり下ネタはねーだろ!?」
「KENTAも早くかけるといい」
「生憎、俺には彼女がいなくてね……」
「クルッポー……」
しかし、この2人は自分達のスネ毛がいつの間にか鳩になっていることに未だ気づいてはいなかった!
迫り来る天使の追っ手を倒しながら鳩学園を攻略していく2人。
「ここだ。ここに伝説のピストルがあるはずだ」
「伝説のクリスタル……一体どんな武器なんだ!?ワクワクしてきたぜ!」
勢い良くドアを開くKENTA。
しかしその部屋には何もなく、かなしげな鳩の鳴き声だけが響いた。
「何もないな……クソっ!騙された!」
デッドマンズウォーキングユウキは悔しげに赤本を投げ捨てる。
「ふふふ……来たか」
どこからともなくら声が聞こえてくる。
鳩は全て死んだ。
「この声は……太郎兄さん!?」
「で、デッドマンズウォーキングユウキこ兄だと!?」
「そうだ!俺はデッドマンズウォーキングユウキの兄こと、ロベルト・ロバート・アルベルト・アルバート・アルフレッド47世だ!」
「なるほど、電動シェーバーを使うのか……」
KENTAはピンセットで腕に1本だけ生えている太い毛を抜く。
しかし、デッドマンズウォーキングユウキは恐怖のあまり落ちていた鳩サブレを齧ってしまった。
「デッドマンズウォーキングユウキ!おにぎりせんべいとはいえ、鳩サブレじゃ無理だ!」
「俺を倒したければボルシチでも持ってくるんだな」
「クソっ!KENTA!何か策はないのか!?」
「少し待て!あともう少しで練り消しが完成するんだ!」
「何!?キャンパスライフを楽しむつもりか!?そうはさせるか!」
太郎の指から放たれた赤外線レーザーで練り消しは燃え尽き、3丁目の今井さんのキャンパスライフは終焉を迎えた。
「万策尽きたか……」
「諦めるなKENTA!」
「「何!?」」
KENTAと太郎の声がハモる。
「ど、どんな策なんだ!?」
「俺は帰る、KENTAは戦う。ハサミ討ち形になるな」
「かるほど!流石デッドマンズウォーキングユウキだぜ!うぉぉぉぉぉ!!!」
KENTAは死んだ。
ハサミ討ちで太郎も死んだ。
「KENTAァァァァァァァ!!!」
友を失った男の悲しい絶叫が、自宅に響き渡った……。